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⑫「それって今までのバレー界だろ?」

これはもうぜひこの竹下さんのインタビュー記事を読んでください。

※下部のリンク先は2ページ目にしています。

竹下佳江がVリーグ姫路に捧げた4年。監督と子育ての両立、次の役割は?(米虫紀子)
兵庫県姫路市を拠点とするプロバレーボールチーム「ヴィクトリーナ姫路」は、4年間指揮をとった竹下佳江監督が、2019-20シーズンをもって退任することを発表した。新監督には、これまでコーチを務めてきた中谷宏大氏が就任する。

監督が育休を取れる。そんなチームなわけです。今までの常識はあくまで今までのもの。これからは違う。そんな新進気鋭さが何より姫路のフィロソフィーではないでしょうか。

その点では少し戻りますがこれもフィロソフィーの一つです。

⑬応援団は東京にある

普通、応援団って地元の人たちによるもの、じゃないですか。例えば東レは社員の方が応援団なので、基本、滋賀勤務の方々中心です。でもヴィクトリーナ姫路の私設応援団である丸の内ヴィクトリーナは、その名の通り東京にあります。応援団長も東京の人です。でも、個人的にはこれが面白いなと思いました。そもそも丸の内ヴィクトリーナが誕生したきっかけも面白いのですが、それはここでは書ききれないのと、そもそも書いていいのかわからないのでふれません。

私は東レファンですが、東レの社員でも何でもないですし、滋賀にも何のゆかりもありません。

だから面白いんですよね。応援のしがいがあるというか。未開の地に花を咲かせる、といったら大げさですが。ただ、丸の内ヴィクトリーナの団長も、いつかは全国に支部ができれば、と言っていたんですよね。この発想もいいなあと思いました。全国に姫路という種をまく。

そして何より姫路の戦術が個人的に興味を持ちました。

⑭残留ありきではなく、自分たちを貫く

普通、下位のチームって泥臭く勝つために守備的になるケースが多いんですよね。サッカーが特にそうです。でも、姫路で4試合見たときに思ったのは、姫路ってそういうのは皆無で、どこかスマートなバレーをしていたんですね。泥臭く勝ってV1に生き残ろう、という感じでは全くなかったです。自分たちのバレーボールを貫こう。そんなフィロソフィーがビシビシ伝わってきました。

田中、松本、貞包のOH陣に長野、荒谷のMB陣、セッターの櫻井、そしてリベロの花井選手…特に田中選手はすごかったなあ。私は戦術には全然詳しくないのですが、見ていて何か伝わってくるバレーボールをしていました。

選手構成も個人的には興味深いです。

大卒選手が多いのは、V1で戦うために即戦力が必要ということなのでしょう。あと正直、高卒でヴィクトリーナ姫路に入っても親会社がないからそのまま企業に就職、というわけではないので、選手たちにとってセカンドキャリアが不利になるからあまり取れない(選手たちの選択肢から外れる)というのもあるかもしれません(基本はマックスバリュで採用)。ただ、20/21は宮地、清田両高卒選手が入ったことでこれも変わっていくのでしょう。

大卒選手が多い分、Vを知るベテランが少ない。そこを埋めるのが移籍組なわけで、金杉、そして20/21から加わった荒谷の両選手がいるわけです。この二人、今の主力とほぼ同い年というのも大きいですね。なので選手構成も非常に明確という印象です。これもフィロソフィーです。

10月の試合後、姫路の名物であるおでんを食べようと、検索して調べて見つけた店にフラっと入ったときにバレーボールを見に来ました、と言ったら、ああ、あっちの体育館でやっているチームね、なんかポスター見てかわいい選手多いなあと思った、という話をお店の方(ご夫婦と思われます)としました。

お店の雰囲気が良かったので11月に行ったときも寄ったのですが、ご主人が、一度見に行こうかと思ったらアプリをインストールしなきゃいけない(感染対策用のCOCOA)というのでやめた、という話をされてました(それなりにご年配の方なので致し方ないです)。でも、地元の人でもバレーボールチームがあるというのは知られているんだな、とちょっとうれしくなりました。お店には「VICTORINA TIMES」を置いていきましたが、できることならポスター持っていって貼りたいくらいです(笑)。

ただ、街にはラッピングバスが走り、自販機まであったんですよね。小さな町に。

岡山やKUROBEに比べ、自治体主導ではなくチーム主導の比率が非常に高いと思います。

姫路のフィロソフィー。一度、姫路で見てみませんか?