THIS IS HOME~HIMEJI’S PHILOSOPHY~

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④「オンリーバレーボール」の街

例えば岡山やKUROBEといった地方都市のチームには、JやBリーグなどのプロスポーツチームがあり、県や市など地元の自治体と組んでスポーツ普及に貢献しているわけですが、自治体としてはバレーボールチームを支援しているわけではなく、スポーツチームの一つとして応援しているスタンスです。

一方姫路においては、存在するチームが少ないです。野球は独立リーグではなく社会人野球の日本製鉄広畑硬式野球部(都市対抗にもよく出る強豪です)。サッカーはエストレラ姫路がありますが、Jの下部のJFLでもなく兵庫県社会人サッカーリーグ。Jに上がるためには関西サッカーリーグに昇格し、そこで優勝して地域CLで2位以内に入ってやっとJFLに入れ、そこでJ3昇格を目指すという、J入りまではまだまだ遠い状態。また、サッカーは女子のASハリマアルビオンがあり、こちらはなでしこリーグ2部です。BやTリーグのチームはありません。

市としてスポーツチームをバックアップしているという印象は街を歩いている限りは感じなかったです。

その点で感じるのは、姫路は「ゼロから作られたチーム」という印象です。岡山は元々あった東芝シーガルズを誘致したもの。KUROBEは富山国体のための強化チームとして設立されたもの。ある意味地元のニーズがあって誕生したわけですが、姫路は、もちろん地元の誘致もあったかもしれませんが、基本的には飛び込んで作り上げたチームです。「日本初のプロバレーボールチーム」とうたっているのはそういうことなのでしょう。

※設立時には仙台ベルフィーユとの譲渡に関するごたごたもありましたが、この件で姫路を揶揄する方はこれ以上ご覧にならなくて結構です。

さて、ここからは実際に試合を見に行ったときの話です。ホームゲームは基本的にヴィクトリーナ・ウインク体育館ですが、ここは普段の練習拠点としても使っているようです。ちなみにこのウインクというのは、地元のケーブルテレビのブランド(2021年1月のホームゲームは中継もあります)。隣接する野球場、陸上競技場もウインクが命名権を持っています。武道館もあり、一帯がスポーツ公園という感じですね。

普段の練習拠点にもなっているからか、そして何より「ヴィクトリーナ・ウインク体育館」になっているからか(これは2020年から)、外観からしてヴィクトリーナモードになってました。カッコイイ!

コロナ禍ということで、グルメやグッズなどの場内の出店などもありませんでした。ファンの方に聞けば昨シーズンは出店してにぎわっていたそうです。こればかりは致し方ないですね。でもまた元の世界に戻ったら見に行きたいと思いました。

ちなみに姫路は10月は二階席のみの発売(後日エリアを追加販売)、そしてその様子を見て11月は一階席の販売も開始、と段階的に入場者の緩和を図るなど、この状況において慎重な対応を見せてきました。