ジップアリーナ岡山に灯る明かり

岡山シーガルズ
all text and photographed by
Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

当初は、日曜日に仕事があったため、この日岡山に来る予定はなかった。3時間以上かけて日帰りで岡山に来るほど私は酔狂ではない。ただ、感染拡大の足音がひたひたと聞こえ、試合がいつなくなったりリモートに切り替わるかわからない、という状況、かつ、東レが開幕から無敗という快進撃を続けている中で、行けるうちに行っておこう、と思って、またふらっとサイトをのぞいたら完売したAS席に空席が出ていたので、急遽行くことにした。岡山に日帰りするようになって私のVリーグファン度も一段階レベルアップしたと思った(アホか)。

ジップアリーナへの道中、はたしてちゃんと岡山シーガルズは露出されているんだろうかとふと思ったけれど、杞憂だった。奉還町商店街は相変わらずだったし、マンホールも相変わらずだった。

この日は県民応援デーとして、会場ではファジアーノはじめ県内のトップチームからのメッセージが掲出されていたり、岡山空港、岡山のご当地米のブースなど、ホームページに記載の通り「県民が一体となって応援機運を盛り上げることを目的」のイベントが行われていた。また、岡山のご当地グルメが食べられるかもめ食堂も相変わらずだった。ラインナップに多少変更はあれど、スポンサー一覧のボードも相変わらずだった。

【11月28日・29日岡山大会】試合情報・イベント情報のお知らせ | 岡山シーガルズ公式サイト
いよいよ明日11月28日(土)から翌29日(日)にかけて、ジップアリーナ岡山を会場に『2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN 岡山大会』が開催されます。岡山シーガルズのホームゲームとなる岡山大会では、両日とも岡山シーガルズの試合を含む2試合ずつが開催される他、ホームならではの様々なイベントが行...

そう、相変わらず、だった。

広場には岡電バスのシーガルズラッピング車まで展示されていた。ラッピングバスは前回来たときはまだなかったかもしれない。

でも、やっぱりジップアリーナの入口に掲げられていたこの断幕だ。

昨年は「絆ある新しき風をまとい、令和の空を突き進もう」。そして今年はこれ。時代をとらえた秀逸なスローガンは相変わらずだった。地元の山陽新聞によると「コロナ禍で会場に足を運べないファンにも、楽しく見応えのある試合を披露するとの思いを込めた」とある。

山陽新聞デジタル|さんデジ

思えば岡山は、紅白戦をいち早く有観客で開催した。しかも一部をYouTubeで配信してくれたので私も見た。今季のリーグ戦はどんな客席配置になるのだろう。どんな光景になるんだろう。その一例になると思ったからだ。

【2020/8/29】青白戦 ライブ配信について | 岡山シーガルズ公式サイト
2020年8月29日(土)にジップアリーナ岡山で開催する『岡山シーガルズ 公開練習・青白戦』につきまして、青白戦を岡山シーガルズのYouTube公式チャンネルでライブ配信を行いますので、以下の通りお知らせします。1.実施日時2020年8月29日(土)14時20分頃配信開始予定※青白戦は全2セットを行いますが、ライブ配信...

この頃は代表が無観客での紅白戦を有料配信していたが、岡山は観客を入れるなど(ただし事前申し込みで県内在住者に限定)一歩進んでいた。このとき河本監督の挨拶も配信された記憶があるが、コロナ禍の中で迎えるリーグ戦に当たっての決意などを述べていてとても心に響いた。

一歩先を飛んでいる。それこそ新しいスタンダードを我々で作る。そんな意気込みすら感じられた。

だからだろう、この断幕もどこか誇らしげに見えた。

この日会場では「GO!FIGHT!SEAGULLS!」だけでなく、この曲もセット間に流れていた。

岡山は相変わらず岡山だった。

滞在時間7時間弱の短期滞在だったけれど、私はどこか安心して東京に戻る新幹線に乗った。