青猫の名前~PFUブルーキャッツが紡ぐ継承の物語~

PFUブルーキャッツ
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私は15/16シーズンからVリーグに興味を持ち、PFUは16/17シーズンからたまに見ているだけ、なんだけれど(しかも他チームのファンだ)、それはバレーボールというスポーツ競技が持つ絆が伝わってくること、なのではと思う。

バレーボールはコート上は6人と、チームスポーツ競技としては少ない部類に入る(野球は9人でサッカーは11人だ)。そして自チームの選手たちだけが同じエリアにいる。サッカーやバスケなどと違って他チームの選手同士が交わらない。それにより、それぞれの役割が明確化されている。

これって何が近いかと言ったら、職場だと思う。当たり前だけれど職場は所属している社員しかいないし(ライバル企業と同じフロアで入り混じって働くなんてことはない)、あなたの所属しているグループも6人前後くらいなのではないだろうか。同じメンバーが机を並べて集まっているのが基本だ。そして、同じ目的、目標に向かってみんなで活動している。

そういう絆だ。

こういっては失礼なのだが、PFUは優勝目指します、というチームではない。V1にいるが、V2に降格したこともあるし、今季だって入れ替え戦に回る可能性がある。そういうチームだ。

でも、強さも必要だけれど、それ以上に根本的に必要なことって、あるのではないだろうか。

このチームを見ているとそういうことが伝わってくる気がする。そんなチームがたまに強いチームやっつけちゃったら最高じゃない?

実は坂本監督もそういう監督(だと私は思う)で、「チームの顔」には孔子の論語「之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。」を引用している。簡単に言えば

知っている人<好きな人<楽しんでいる人

もちろん楽しんでいるだけで勝てるわけではない。(申し訳ないけど)戦力的にもそうだ。しかも坂本監督は続いてこうも言っている。「相手の虚をつく」と。まあこれはリベロに「お前も点取っていいんだぞ」と言うだけあるのだが(笑)。

バレーボールの試合を初めて見に来た人はいろんなことを感じると思う。スパイクが強烈!ジャンプ力すげえ!ブロックカッコイイ!ジャンピングサーブがダイナミック!長いラリーにしびれた!あの選手カッコよかった!かわいかった!…

でも「バレーボールって楽しそう」そう思ってもらうことも大切なことじゃないだろうか。PFUの試合を見に来た人がそう思ってくれたら。それが何よりのこのチームの褒め言葉であり、誇りなのかもしれない。

かつてPFUブルーキャッツに所属していた皆さん(そして元キャプテンたち!)。

あなたたちのいたPFUブルーキャッツは、今日もあのPFUブルーキャッツですよ。