青猫の名前~PFUブルーキャッツが紡ぐ継承の物語~

PFUブルーキャッツ
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

シーズンが変わって、久しぶりに見るチームはどのチームであってもいつも楽しみだ。

選手やスタッフの新加入、退団だったり、ユニフォームの変更など、いろんなものが変わって迎える新シーズン。今までにない光景に出会える楽しさもあれば、いわゆるロスもある。いわば、遠くに暮らす親友なり恋人に久しぶりに会う感覚だろうか。会う前にはもちろん「どんなふうに変わっているんだろう」とワクワクすることもあれば、「どんなふうに変わってしまったんだろう」と不安に思うこともある。

私は自分の推しているチーム(東レだ)以外にも毎年「このチーム面白いな」と自然と興味を持つチームがある。一昨年シーズンは日立で、昨シーズンはPFUだった。

20/21シーズンの日程が発表されて、PFUのホームゲームがリモートマッチとなり、楽しみにしていた秋田もリモートマッチに切り替わり、私がPFUを見られるケースがどんどん減っていった。やっと見られたのは、開幕から3カ月たった1月の岡山だった(そしておそらくこれが唯一となると思う)。

果たしてあのPFUはどうなっているんだろう。

なにせ8人もの選手が抜けた。しかも長年チームを支えてきたドリス選手や清水選手、そして宇田選手…

いずれも、私が昨季興味を持ち、魅了されたPFUブルーキャッツという雰囲気であり空気を作っていた中心人物と言っても過言ではない。

しかも8人が抜けたのに開幕前では新加入は4人。外国人選手も発表されていなかった(発表されたのは10/20)ので、紅白戦すら成立するのかという陣容だった。しかもたまたま見た試合の帳票では、OH登録の和才選手がリベロで起用されていてぶったまげた。当日を前に、少し不安な思いもいだいていた。

2021年1月16日、ジップアリーナ岡山。第一試合の岡山対東レが終わり(元々これが目当てだったんだけど)、PFUの選手たちが出てきた。さあ、どんな光景に出会えるのだろう。

公式練習で出会ったこの光景に、どこかホッとした。あはは、変わってないなー。そして、高相選手に注目した。昨季も見ているはずなのだがあまり印象に残ってなかったのだ。

そして試合が始まると、自分の座っていた場所がレフト側だったというのもあるが、ここでも自然と高相選手に目が行った。躍動感がハンパないなと。そう思っていた時にこのフレーズを思い出した。

「空まで届きそうだ、高相だ」

これは開幕戦のテレビ中継でテロップで使われていた言葉だ。この日は地元の石川テレビで中継されていたから、一般の視聴者も見る民放としてキャッチコピーを作って紹介したのだろう(ちなみに津賀選手は「青猫のレフティーモンスター」だった)。

まさにその言葉通りの跳躍力だった。私は自然と引いた構図にして、高く浮いたボールとそこに向かって飛びあがる彼女を撮るようにした。

彼女は別に新戦力でも何でもないんだけど、もしかしたら今まで私が向けていた注目のポイント(の選手)が抜けたからこそ出会った光景なのだろう。