個人的にV1女子で今シーズンよかった、と思うもの、会場編に続いては選手以外のスタッフ、そして試合についてです(選手編はこちら)。
ちなみに昨年版はこちらです。
最優秀監督賞:越谷章監督(東レアローズ)
今季の東レの躍進はこの方あってのものだと思います。
前任の菅野監督は専制型だったと思っています。こうしろああしろと決めてくれる。答えを出してくれる。「こうじゃないだろ!」と喝を入れてくれる。選手たちからすればうるさい存在だけれど、言うとおりにしていればいいという楽な部分もあったわけです。
でも越谷監督は共和型。「あなたはどうしたいんだ」と聞いてくれる、そんな印象でした。また、皇后杯決勝はあえて動かず、今の選手たちでどこまで行けるのかを見ていました。
「今日は敢えて何もせずにそのままの流れでいこうと思っていました」
「経験が浅く、年齢の若い選手が多いので、雰囲気に呑まれるというわけではないですが、その辺のところはある程度予想はしていました」
「マッチアップを外してくるのは予想がついていましたが、そのままの状態で見ていようと」
引用元:バレーボールマガジン(2020.12.21)
先を見据えてあえて動かず見ていた。そんな印象です。で、負けたことで課題が明確になり、チームを変えようと動くように切り替えたと思います。残念ながらファイナルは負けてしまったのですが、就任一年目でファイナルの舞台に立てた手腕は大きいと思います。
あと、こんな気遣いもいいですね。選手たちと積極的にコミュニケーションしていた印象です。若い女子たちを束ねるのは大変だったと思いますが(そこは中道コーチが補完してくれます)、名将への第一歩を踏み出したかもしれませんね。
最優秀ベンチスタッフ賞:若宮啓司トレーナー(久光スプリングス)
先日の尼崎大会で気づいたこの光景が何よりです。
TOの笛が鳴るととっさに飛び出して(相手チームが要求することもあるので気が抜けない)、選手たちがベンチに戻るまでにシューダスターシートをサッと置いて迎える。その一連の流れがとてもスムーズで!本当に、選手たちが戻るタイミングに間に合うように、そして邪魔にならないようにサッと出すんですよね。この方、執事とかめっちゃ向いてそう(想像するとつい笑ってしまいますが…笑)。
元々代表でもトレーナーをされていて、試合前の選手とのハイタッチなどムードメーカーになっていることは知っていたのですが、久光での仕事ぶりに注目したのは初めてです。おそらくTOで選手たちが戻るのを見ていた時にそのスピーディーさが目を引いたのだと思います。今まで久光は新鍋選手ばかり追っていた(レンズを向けていた)のですが、いなくなったことで見つけた光景なのかなと思います。日々、発見のリーグですよVリーグは。