VCupで踏んだ東レアローズの「場数」

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

3/21のVCup埼玉上尾戦を持って、東レアローズのVリーグとしての20/21シーズンが終了しました。シーズンそのものとしては5月に黒鷲旗が残ってますね(無事に開催されることを祈ります)。

今回のVCup、要は、本来やる予定だったリーグ戦が、東京五輪延期の影響でリーグ戦を前倒しして終了する必要があったので、当初組んでいた日程をそのままカップ戦に充当した、ということです。日程を短縮せざるを得なくなったのは残念だったでしょうが、今シーズンはサマーリーグなどもなかったので、育成のための実戦の場が足りなかったのも事実。結果的にはよかったのではないでしょうか。

※この、リーグ戦終了後に代表選手が抜けたカップ戦をやる、は、昨季3月に実施されるはずだった皇后杯がそうだったんですよね。

実はJリーグもリーグ戦、カップ戦(ルヴァンカップ)、天皇杯から構成されているので、個人的には違和感なかったですし、テストケースとして導入したのはよかったと思います(男子ではやってないですからね)。

VCupを私なりに野球で定義すると、サマーリーグはオープン戦、リーグ戦はペナントレース、そしてVCupはペナントレース終了後に行われるフェニックスリーグ。簡単に言うと教育リーグです。ただ、クライマックスシリーズ進出のかかっているチームはガチのメンバーで来ることもあります。

今回のVCupへの取り組みは、初めてのカップ戦ということもあってチームによってまちまちでしたね。埼玉上尾は、新監督の合流が遅れたこともあって、かつ選手がほとんど代表に取られていないのでチームの成熟に重きを置いてました。一方代表で抜けた選手も多いNEC、東レは完全に育成に舵を切っていた、そんな印象です。私自身もどういうモチベーションで臨もうかを迷っていた部分はありましたが、基本的に「全員いての東レアローズ」というスタンスなので、リーグ戦は既に終了している、という意識でした。なのでいつも作っていた新聞とかもやらなかったですし、シーズン総括も既に書きました。

いつも会場で見かけていたファンの方も減った(代表で抜けた選手のファンでもなく)ので、ファンの方のモチベーションもそれぞれだったのかなと思います。私自身、一試合しかない宇都宮に遠征すべきかはちょっと迷いましたしね(なぜか西地区のはずの東レが東地区になったのは、東京在住の私にはラッキーでした。西日本開催だったらどうしていたかな)。

そんな東レのVCupは、結局2勝3敗の4位で終了(うち一勝はPFUの不戦勝によるもの)。結果だけ見れば残念ではありますが、いやいや!収穫がめちゃくちゃあったリーグ戦でした。以下、全試合(といっても4試合ですが)見た立場として個人的にポイントで解説していきます。

①白井選手固定によるコンビネーション向上

正セッターは関選手ですが、二枚替えもそうですし、故障などのアクシデントがあったときのために、サブのセッターのコンビネーションも実戦で試せたのはよかったです。ボールの軌道はそれほど見ていないのですが(すみません、他の選手を撮るので…)、中田選手とのコンビが合っていましたね(リーグ戦ではほとんど出ていないので、関選手とのコンビが合っていなかったというわけではないですよ)。

あと、リーグ戦ではあまり上げていなかった小川選手とのコンビは、本数も増えてめちゃくちゃ磨かれましたね。ちなみに坂本選手は宇都宮大会初戦(=VCup初戦)でセッターとして少し出ましたけど、後はピンサだったので、白井選手のコンビ向上、というのがチームの方針だったのでしょう。

ただ、白井選手についていえば宇都宮大会は日曜、フルセットになったこともあって明らかにガス欠になってました。まあリーグ戦では控えなので体がついていかなかったのは事実ですが、関選手からレギュラーを奪うためには、ここはぜひ課題として取り組んでほしいなとは思います。それが結果的にチームを強くすることにつながりますからね。