久光 制約からの脱出プロジェクト~前編~

久光スプリングス
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

さっきチラッと書きましたけれど、鳥栖は佐賀県ではありますが、博多から最短で20分くらいで行けますし、佐賀からも最短16分(いずれも特急)。鳥栖市自体は7万人の人口ですが、福岡(153万)、佐賀(23万人)、そして久留米(30万人)と都市圏に接しているんですよね。そして、駅は新鳥栖駅にはなりますが、九州新幹線も通っているので熊本、鹿児島、そしていずれ開業するかもしれない長崎新幹線と、九州各地から駆け付けやすい場所です(山陽新幹線にも直通しているので関西圏からの集客も見込めます)。

車の場合はさらにすごくて、福岡と鹿児島を南北に結ぶ九州自動車道と、大分を結ぶ大分自動車道、長崎を結ぶ長崎自動車道が鳥栖ジャンクションで一つになります。九州の大動脈の交差点なわけです。

そして個人的にはこれが一番大きいのではないかと思うのですが…

③九州唯一のV1女子チームに

ご存じの通り、久光の今の本拠地(練習拠点)は神戸市にありますが、実はこの兵庫県は、JT(西宮市)、姫路(姫路市)と計3つもV1女子チームがあるんですよね。JTはホームを大阪府にしていますが、神戸や加古川でホームゲームをやったりもしてますし、いわば過密状態なわけです。

一方九州はというと、フォレストリーヴズ熊本がV2にいるだけ(地域リーグには福岡春日シーキャッツの事実上の後継チーム、KANOA福岡もあります)。言わずと知れた東九州龍谷があったり、NECの古賀選手を輩出した熊本信愛女学院など強豪校も多い屈指のバレーどころなのに受け皿がないんですよね。選手なり親御さんからすれば、大都市に行くよりはできれば地元で、いうケースもあるでしょう。

久光が佐賀に移転することでそういう受け皿になる可能性があるんですよね。そして前述の通り九州各地からのアクセスもいいので、極端に言えば九州の有望な選手をごっそり抱え込める可能性もあります(もちろん、東京や関西のチームに行く人もいるでしょうが)。

※元々、東九州龍谷の選手が久光に入るケースは多かったですけどね。

ここまではSAGA久光スプリングス株式会社の移転の動きをご紹介しました。

ではSAGA久光スプリングス株式会社になってチームはどう変わったのか、ということまで書くつもりでしたが、長くなったので続きは後編に。こっちが本題です。