久光 制約からの脱出プロジェクト~前編~

久光スプリングス
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①佐賀のスポーツ熱の高まり

佐賀では国民スポーツ大会(旧・国体)が2024年に開催されるのですが、これに合わせてSAGAサンライズパークに8400名収容のアリーナが2022年度末に完成するなど、スポーツ関連の投資に積極的です。久光もその流れに乗った、と言えるでしょう。

ちなみにこのアリーナは久光スプリングスの試合が開催されることも予定されています。今は同じサンライズパーク内にあるSAGAプラザ(総合体育館)を使ってますが、より大規模に開催されることになりますね。なにせ8400席ですから。

スポーツへの投資に積極的な地方、に興味がある私は佐賀の取り組みに興味を持って、佐賀県スポーツコミッションのツイッターをフォローするようにしたのですが、この2021年は12年ぶりにプロ野球の一軍の公式戦の誘致に成功したり(しかも巨人戦。あいにく感染拡大で東京開催に変更になりましたが…)、スポーツ熱を高めようと積極的に動いています。

久光も6月から佐賀で合宿を始めたようです。

②久光製薬の本社が佐賀県鳥栖市

意外と知られていない印象がありますが、久光製薬は鳥栖市で創業しています。ではなんで久光スプリングスが鳥栖ではなく神戸を拠点にしているのかと言うと、かつて神戸にあったバレーボールチーム・ダイエーオレンジアタッカーズを久光製薬が受け継いだからです(鳥栖市にもチームがありましたが統合して神戸市を本拠地に)。

その点では親会社の本社のある鳥栖に移ることで、より企業としての一体化が図れるということでしょう。

ちなみに個人的な印象ですが、佐賀はスポーツチームへの支援が手厚いと思いますし、環境も整っています。例えばサッカーのサガン鳥栖は、そのホームスタジアム(駅前スタジアム)は特急も止まり、博多から電車で30分ちょっと(特急だと20分ちょっと)で行ける鳥栖駅の目の前ですし、上述のSAGAサンライズパークも佐賀駅から徒歩20分です。ちなみに鳥栖駅はさすが、久光の城下町という感じで駅も広告がドーンと出てました。

そして駅前スタジアムはアクセスもさることながら、陸上トラックのないサッカー専用場になっていてとても見やすいです。久光が新練習拠点として貸与を打診している駐車場も駅前スタジアムに隣接しているので、つまり駅からのアクセスがいいということにもなりますし、球技場とアリーナが一帯にあるというのはスポーツ拠点という感じでとてもいいですよね。

タイミングが合えば、昼にVリーグの試合が久光の練習拠点で行われて、夜はJリーグの試合が駅前スタジアムで行われる…なんてことではしごできるかもしれませんし。