君の名は日立リヴァーレ第四章

日立Astemoリヴァーレ
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

あと、野中選手もすっかりレギュラーに定着していた。まだまだこれからの選手だけれど、彼女が代表入りするくらいになったらバレーボール界もさらに盛り上がるというか、代表入りをめぐる競争が激しくなると思う。

だから、VCupの日立はなんか未来にあふれていた印象だ。見た二試合共に勝った、というのもあるんだろうけど、これからが楽しみというか、今季加入の新人選手4人が伸びしろにあふれていてどんな未来になるのか楽しみ、という感じだ。そんなことを感じながら撮ったのがこの写真だ。

この二人の先にある明るい未来、ということでとっさに右に空白を作る構図にした。

ただ。

未来があるということは一方で去る選手もいる。特に私をVリーグ、そして日立リヴァーレに注目するようになった選手二人が同時に去ることになった。

まずは佐藤美弥選手。

2015年にW杯バレーをたまたまテレビで見てバレーボールに興味を持ってVリーグに足を運んだとき、「Vリーグには代表以外にもこんな選手たちがいるのか」ということを真っ先に気づかせてくれたのが佐藤選手だった(当時は代表入りしていなかった)。そして、ふわあっとした柔らかいトスワークにすっかり魅了された。

だから彼女が代表選手として古賀選手や新鍋選手にトスを上げていた2019年のW杯は、私にとってたまらなかった。予定通り2020年に五輪が開催されていれば…とも思うがこれは私が嘆いても仕方のないことだ。結局彼女の最後のプレーを見たのは、2019年12月の五所川原になってしまった。所沢でユニフォーム姿だけでも見られたのがせめてもの救いだった。

まあ後、こういうところも面白かった(笑)。