君の名は日立リヴァーレ第四章

日立Astemoリヴァーレ
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

実は11月の大田大会の後でこんな投票をしたんだけど、彼女はまさかの最下位だった(笑)。私の傾向はけっこう読みにくいのかもしれない。野中選手は他の人たちがいち早く注目して(だから最多得票だったのだろう)写真をたくさん上げていたので、天邪鬼としてハナからアウトオブ眼中(死語?)だったというのもあったかもしれない。

この大田で境選手を初めて知ったんだけど、二枚替えで投入されたときのその眼力にどこか惹かれるものがあったのだ。VCupではいつの間に正セッターになっていて、ちょっとびっくりした。

そして、サーブを打つときは私がいるサイドのコートオフィシャルからボールを受け取るので、結果的に私がいる方向に向かって走ってくるので自然とレンズを向ける機会が多くなっていったのだ。特に4連続くらいポイントを取ったときはそのたびに走ってきた(それってつまり東レが連続失点しているので複雑だったけど、でも撮っているという)。その点では神席だった。そう、席はやっぱりクジ運なのだ。どんな席であろうと、屈指の光景、撮り所というのは必ずあるのだ。

ただ、レンズ越しに見ていて、彼女がムードメーカーだ、というのはよくわかった。神戸ではこんないたずらを仕掛けられるだけの選手だと思った(笑)。

二週間後。VCup所沢大会は、緊急事態宣言によるPFUの出場辞退によって日立の試合は日曜の一試合だけになった。この日は久しぶりに日立中心に撮ることにした。そしたら試合も始まっていないのにこれである。

そう。日立ってこういう、見ていて笑える光景にたくさんで会えるからたまらない。だからアンチ日立なんて人はいないんじゃないかと思う。対戦相手のファン以外なら誰でも味方につけてしまう、そんな存在だ。それはもちろん、選手たちだけでなく応援団がまさにそんな存在だ(今年は状況が状況だけに、彼らを見られる機会が激減したのが残念だった)。

そして境選手のトスワークを存分に見ることができた。この試合の写真を整理したのは二か月後なんだけれど、8割が境選手の写真で我ながらどうかと思った。

ただ。こういうボールへの執念が見られるシーンが多くて、何より撮りがいのある選手なのだ。それだけ俊敏ということかもしれないけど(確かに動きを見ていても、体が柔らかくてバネがある印象はある)ケガだけには気をつけてほしい。