Vリーグにおける遠征ツーリズムとフィールドワーク

Vリーグトーク
all text and photographed by
Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

④遠征でアリーナ事情を知る

アリーナで個人的に感じたのは、愛知県の施設の充実ぶりです。西尾市総合体育館はそれほど新しくはないですが、ウイングアリーナ刈谷もきれいでしたし、武田テバオーシャンアリーナも名古屋駅からそれほど離れていないけどきれいで。あと、名古屋城一帯の名城公園にはBリーグの他大相撲で使われるドルフィンズアリーナこと愛知県立体育館、そしてそしてバレーボールの代表戦でおなじみのガイシアリーナもあります。

少し離れていますがスカイホール豊田もありますし、アリーナが一番整っているのは愛知県ではと思います。トヨタの経済効果なんですかね…。フィギュアスケートの選手も多いということはリンクの施設が整っているということですから。でも、自治体が潤っているのは事実でしょうし、公共施設にお金を投資しやすいのではと思います。

ちなみに愛知県立体育館には移転計画があることを今知ったのですが、なーんと、1万5000人規模だとか。有明アリーナや横浜アリーナクラスです。

隈研吾氏デザインの国内最大級アリーナ、愛知県が前田・NTTドコモなどを選定
 愛知県は2021年2月17日、愛知県新体育館整備・運営等事業の落札者選定結果を発表した。落札者は、前田建設工業とNTTドコモを代表企業とする「Aichi Smart Arenaグループ」。協力者として隈研吾建築都市設計事務所が名を連ね、外観デザインなどを担当している。

しかも、いろいろ調べると全国でアリーナ建設ラッシュなんです。今年できた沖縄アリーナの他、南船橋、神戸、長崎などにも建設計画があります。

では、なぜこんな風に大きなアリーナが建設されるのでしょう。その一つはBリーグです。

Bリーグ悲願の「魅せるアリーナ」誕生 続く建設ラッシュ、成功の鍵は? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
今年竣工した「沖縄アリーナ」で初となるBリーグ公式戦が4月21日に開催された。いやでも視界に入ってくる大型のセンターハング・ビジョンやコートを360度取り囲むリボンボード、映像に合わせて音響システムを効果的に活用した躍動感ある演出とそれに合...

元々Jリーグも、全国の陸上競技場の活用、整備の側面もあったんですよね。ライセンスで客席数なども決められているので、設備をアップグレードしていく必要があり、結果的にどんどん施設が更新されていったわけです。Bリーグはその体育館版をやろうとしているのだと思います。

あと、個人的にはアリーナは音楽のライブとしても使えるから、だと思っています。出典がなくて申し訳ないのですが、確かBリーグのチェアマンだった川渕さんが、アリーナは音楽としての活用も可能な総合エンターテインメント施設だ、ということをおっしゃっていたんですよ。

確かにBリーグは試合中に流しっぱなしだったり音楽も大事ですし、得点時の演出でリボンビジョンなども使いますから、エンターテインメントの要素が強いんですよね。

Vリーグで自前のアリーナを作るのは資金面でも厳しいと思いますが、着工が決まった久光の新練習拠点は1444席の客席が設置されるようですし、そういう動きも出始めています。鳥栖市が敷地を貸与してくれたからこそ、ですが、自治体との連携は欠かせないということですね。

<バレーV1女子>久光スプリングスの新練習施設、9月に着工 駅前不動産スタジアムの南側 | スポーツ | 佐賀県のニュース | 佐賀新聞
鳥栖市の駅前不動産スタジアムの南側に建設されるバレーボールV1リーグ女子・久光スプリングスの新練習施設が9月に着工する。施設の活用方針について、久光製薬(鳥栖市)やクラブ側は「クラブハウスなど専有部分以外は、市民に積極的に利用してもらいたい」との意向を示しているといい、メインアリーナも地元の大会に貸し出す方針で整備が進...

今、アリーナを巡る状況は大きく変化しているんです。

我々バレーボールファンはその渦中にいるんです。

バレーボールが一連のアリーナ改革の蚊帳の外にならないように、盛り上げていきたいですね。

と、一度の遠征で見えてくるものがたっっくさんあるんですよ。

だから私は遠征はツーリズムであり、フィールドワークだと思っています。

そして最後にお伝えしたいこと。