Vリーグにおける遠征ツーリズムとフィールドワーク

Vリーグトーク
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

例えばジップアリーナ岡山は第60回(2005年)晴れの国おかやま国体に合わせて建てられていますし、それ以外でもまとめますと

第74回(2019年)いきいき茨城ゆめ国体:池の川さくらアリーナ

第77回(2022年)いちご一会とちぎ国体(なんていいネーミングだ):日環アリーナ栃木※Vリーグでは使われません

第78回(2024年)SAGA2024(なぜアルファベット?):SAGAアリーナ

第79回(2025年)わたSHIGA輝く国スポ(どこでやんねん!):YMITアリーナおよび滋賀ダイハツアリーナ(ウカルちゃんアリーナの建て替えとなる新県立体育館)

と、国体に合わせてアリーナができたり、建て替えられているのがよくわかると思います。

もちろんアリーナだけでなく陸上競技場とかも同様です。

ちなみにですが、KUROBEアクアフェアリーズは第55回(2000年)国体の強化チームとして結成されていますし、黒部市総合体育センターもその国体に合わせて建てられています。

というように、地方にとっては国体が大事なんです。ちなみに国体って1924年の明治神宮競技大会が発祥と歴史が長いんですよ(大河ドラマ「いだてん」をご覧になった方ならピンとくると思います)。ものすこーく簡単に言うとスポーツによる国民の健康促進施策ですよね。

※ちなみに2026年以降では青森と宮崎での開催が決まっています。

そもそもVリーグの試合…に限りませんが、スポーツの試合って基本的に公共施設で行われているんですよ。Vリーグで自前の体育館(練習場ではなく)を持っているのは女子にはありません。ちなみに男子だとパナソニックと豊田合成は持っているんですよね。各チーム、○○市民体育館とかを間借りするわけです。Jリーグでも自前のスタジアムを持っているチームは柏だけですし、プロ野球でも西武、横浜DeNA、オリックス、阪神、福岡ソフトバンクだけ。少ないんですよ。

自前の施設は当然建設費にもお金がかかるし、投資した分の回収が難しいですよね。大きなチームにしかできません。そこで、公共施設なら安価に使えますからね。

公共施設ということで、その整備ぶりは思いっきり自治体のパワーというか、スポーツへの愛情のかけ方に左右されるということですね。スポーツにばかり投資しやがって、というやっかみも当然市民の間から出てくるから、過度に投資できないという事情もあります。特にエンタメ界からはスポーツ界への保護に疑問の声がよく上がる気がしますが、でもライブ会場だって○○市民会館とか公共の施設ばかりですし、安価に利用できることで芸術の保護もしていると私は思います。

スポーツに対するやっかみがでてきたとき。そういうときに大事になってくるのが「地域振興としてチームを活用すること」だと思います。

あと、特にカメオタの方は自然と全国の体育館の施設事情に詳しくなっていると思います。座席もそうですが、特に照明。LEDなのか、とか明るさとか、自然と把握していると思います。ということはその施設の整備具合も自然と把握していることになるんです。ものすごいノウハウだと思いますよ(使う機会はめったにありませんが…笑)。