今回のバレーボール女子五輪代表の個人的な注目ポイント。セッター&リベロに続いてはミドルブロッカーをご紹介します。
※紹介順は下記の日本バレーボール協会の写真順にします。
※掲載している写真は全て私が撮影したものです。
なお、五輪のメンバーでミドルブロッカーは基本は3人なのですが、今回4人選ばれています。それがどういう意図によるものなのかはわかりませんが、どうしても体格で劣る日本としては守備を分厚くする、かつ、攻撃のオプションを増やした、ということでしょうかね。
ミドルブロッカーは、ブロックが得意な守備型と、ブロードなど攻撃が得意な攻撃型、大きく分けて二つに分けられると思うのですが、選手がどちらに当たるのかも記載します。
ミドルブロッカー:荒木絵里香(C)(トヨタ車体クインシーズ)
チーム最年長、最長身(186cm)そしてキャプテンです。ロンドン五輪の銅メダルメンバーですが、その前の北京も出ているので、四大会連続出場です(ちなみに木村沙織さんもその前のアテネから四大会連続です)。子供がいらっしゃることもあって、選手からは「えり母さん」などと呼ばれているみたいですね。古賀選手はテレビ出演などで一緒になったときにいつも「荒木選手は一回り年齢が上」ということを言うそうです(笑)。
※確か2019年放送の「グッと!スポーツ」で言っていたような。
2013年に一度出産のために当時所属していた東レを退社したのですが、早くも2014年から現役復帰しています。出産すると体型が変わるので、アスリートとして復帰するのは相当大変だったみたいです。そして何より、子育てのこともあるのでおそらく当初の2020年の五輪を区切りにされていたと思うのですが、1年延びたということはご本人にとっても、体力だけでなく子育ての面でもきつかったのではと思います。
そう言ったことを乗り越えて今回再び五輪の舞台に立つ選手だ、ということをまず頭に入れていただければと思います。
しかし、あまり年齢のことは言うべきではないですが、20/21シーズンもブロック決定本数(1セットあたり)は0.81で、久光のアキンラデウォ選手と並んで堂々の一位。そしてVNLで見せるプレーもさすが、と思わされることばかりでした。基本的にはブロックの得意な守備型だと思います。その多くの経験から、相手を読んでのブロックに長けているのではと思います。
18/19シーズンで、通算ブロック決定本数の日本記録を更新(それまでは1042)したのですが、その試合を私は見てまして。試合後にインタビューがあったんですね。そのとき「荒木さんにとって、ブロックとは」という質問に一言、「仕事です」と。カッコよかったなあ。これはそのときの写真です。
おそらく今回の五輪はお子さんも大きくなられたので、記憶に残るはず。ぜひ雄姿を見せつけてほしいなと思います。
ミドルブロッカー:奥村麻依(デンソーエアリービーズ)
代表には何回か選ばれていますが、五輪は初です。個人的にはブロードもブロックも得意で、守備型・攻撃型でくくれない、総合力の高いミドルブロッカーだと思います。ただ、どちらかというと攻撃型かな。ミドルブロッカーでは一番低い177cmですし。
2018年の世界バレー、2019年のW杯と選出されていて、その好調さを維持できたということでしょうか。一度タイへ海外挑戦もしています。ブロードはパワーというよりはスピードという印象ですね。個人的にはファーストチョイスは荒木、島村コンビだと思いますが、島村選手とはまた違ったブロードなので、流れを変える存在になるのではと思っています。