バレーボール女子東京五輪代表 選手紹介~アウトサイドヒッター編~

日本代表
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

アウトサイドヒッター:黒後愛(東レアローズ)

彼女も初五輪です。春高での活躍といい、バレーボールに詳しくない人でも彼女は知っている、というのはおそらくこの後出てくる石川選手と一、二を争う存在なのでは。

個人的な印象で言うと、黒後選手の特徴は重いアタックだと思います。野球の投手に例えると、古賀選手が多彩な変化球をコーナーに投げ分ける精密なコントロールタイプの投手なら、黒後選手は重たいストレートをズドンと投げ込むタイプです。だから、相手がブロックについても弾き飛ばせるんですよね。

個人的にはけっこうしたたかな選手だと思ってます。力任せに打つこともあれば、駆け引きでわざと相手ブロッカーの手に当ててボールをはじかせたり。たまにフェイントもかけたりしますし。無双状態になると手が付けられないです。

そんなこともあってか、中田監督は彼女をエースに指名してます。

「エースは黒後」中田久美監督も期待する黒後愛の“爆発” 恩師が明かす、まだ発揮しきれていない“稀有な才能”とは?(田中夕子)
伝説に残るチームをつくりあげるために、覚悟を決めて選んだ12名――その中で中田監督が「エース」として名を挙げたのが黒後愛だった。

記事内にもありますが、普通エース───バレーボールに限らず───というと、得点をたくさん取る人です。そうなると今回の代表メンバーなら古賀選手です。ですが、中田監督は黒後選手を指名しています。思うに、この場合のエースはキーマンということじゃないかなあと。なんやろ、相手に決定的なダメージを与えるエース、という感じかな。なのでそこに注目してほしいです。

たまに、セッターがトスを上げるときに、パンパンパンと手を叩くんですよ。私に持って来い、と。その音が個人的にはすごく好きですね。私に持って来いと自信持って言えるってすごいことだなと思うし。

あと黒後選手は20/21シーズンから東レアローズのキャプテンに就任して、レギュラーラウンドを無敗優勝に導きました。心身共に最強の状態で挑みます。

黒後選手については過去たくさん書きましたので宜しければこちらを。

アウトサイドヒッター:林琴奈(JTマーヴェラス)

大阪の強豪、金蘭会出身で、春高優勝に導いたキャプテンです。JTマーヴェラスの連覇にも貢献した存在です。

私なりの私なりの解釈ですが、野球でいうユーティリティープレーヤーだったり、守備固めという印象です。得点よりは安定をもたらしてくれる存在ですね。バタバタしたときに落ち着かせる存在としてはうってつけです。と同時に、今回ピンチサーバーの役割も大きいと思います。

そういう意味ではいぶし銀、なのかな。ってまだ21歳ですが…

ただ、正直、古賀、黒後、石川の三人がメインで起用されると思うので彼女は目立たない存在になると思うのですが、こういう人がチームには必要、というところに気づいていただけたらと思います。