バレーボール女子東京五輪代表 選手紹介~アウトサイドヒッター編~

日本代表
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アウトサイドヒッター:古賀紗理那(NECレッドロケッツ)

東京五輪における攻撃の要ですね。20/21シーズンは一度も交代することなくフルタイムで出てましたし、選手としての絶好調期に入っていると思います。

個人的に彼女の特徴は、肩関節の柔らかさがもたらす、コースの打ち分けだと思っています。古賀選手がゾーンに入ると、ボールを打つ前に一瞬時が止まって、相手ブロッカーの動きを見て打ち込む、そんな感じになるんですよ。本当に。一瞬でコースを決めてそこに打てる選手、という印象です。

20/21シーズンの好調さは、コロナ禍で2020年前半に代表での活動が中止になったことではないかなと。シーズンが終わった後に代表に召集されるわけですが、当然そこでの疲労はあるわけですよ。ところが活動が停止になったことで各自が自主トレすることになった。結果、体力の消耗を押さえられたのが好調さの要因ではないかと思います。これは古賀選手に限った話ではないですが…ただ、代表召集期間が必ずしもいい結果をもたらすわけではない、というのは代表の監督・コーチ陣の気づきになったのではと思います。

今でこそ、代表に欠かせない戦力となりましたが、彼女は一度大きな挫折を経験しています。

2013年で彼女は17歳で代表デビューを果たします。私自身バレーボールにハマったのは2015年のW杯をたまたまテレビで見てから、なのですが、期待のホープとして大きく取り上げられていたのでよく覚えています。

ところが。2016年のリオ五輪は、最後の最後で落選となりました。予選を見てましたが、確かに調子が上がってこないな…とは思ってました。なので、今回は初五輪でもあるし、彼女にとっては満を持しての五輪デビューとも言えます。

私自身、それなりに長く見ている選手なので思い入れがめちゃくちゃあります。その話や、リオ五輪で落選したときの当時のキャプテン、木村沙織さんとのエピソードも下記のブログでご紹介していますので、ご覧いただければと思います。

彼女にとっては4年、いや、5年越しの五輪なんです。

今回の代表チームで、副キャプテンに就任しています。NECでもキャプテンや副キャプテンの経験はないので意外に思えましたが、攻撃陣を引っ張っていってほしいという思いと、一定の重圧を与える(でもご本人はそれを力にできる)考えがあるのかなと。個人的にはおおーっと思った人事でした。

今回の五輪で結果を出して、スポットライトを思いっきり浴びてほしい。そう思います。

はっきり言います。東京五輪は彼女が主役です。