4.ケニア戦での古賀選手の負傷
いろいろありながらも迎えた東京五輪。その初戦のケニア戦でも誤算が生じました。そう、古賀選手の負傷です。
ただ、ニュースで報じられた、中田監督が古賀選手の負傷だけは想定外だった、という発言は私は鵜呑みにしていません。この選手だけは負傷することはないだろう、なんて思っている監督なんかいないからです。
まあ、古賀選手が不調に陥ることは想定外だったという意味だったかもしれませんし、または負傷は想定外だと発言することで情報戦を仕掛けたとも言えます。この情報戦の話は後ほどします。
私がこの負傷を誤算だった、としているのは別の理由です。
控え選手たちを起用できなかったんです。
なにせ五輪という大舞台。12人中過去五輪を経験しているのは荒木、石井、田代、島村選手のみ。であればまずは一度でもコートに立たせてあげることが大事なわけです。となると必要なのは、ワンサイドゲームに持ち込むこと。
実際ケニア戦は難なく25-15、25-11と10ポイント以上をつけて二セットを連取し、第三セットも一方的な展開になりつつありました。そろそろ勝敗が見えてきたから控え選手と入れ替えるか…。まさにそのタイミングで、古賀選手が負傷してしまった。結果勝ちはしたものの25-23とあわやケニアに初のセットを献上する可能性もあったわけです。今にして思えばそういうプライドを捨てても控え選手を投入すべきだった、とも思いますが。
これが私の思うケニア戦での誤算です。
控え選手の投入という点では、セルビア戦、ブラジル戦も格上相手のいわば捨て試合とする手もあったのですが、両試合とも第三セットが意外と競って(共に24-26)、前者は山田選手、後者は山田、奥村選手は出場なし、という結果になっています。
まあ、競っていようがなかろうが、ハナから変えるつもりもない監督とも言えますが…私はあえて誤算と肯定的に解釈します(笑)。
ただ、これらの誤算はあったにしても、言い訳はあったとしても、今回の5試合を通して見た中でのなんかもやっとしたもの、怒りでも悲しみでもない、どこか虚しさ、はこれだけが原因ではないはずです。次はその話をします。