2.五輪一年延期
代表チームというのは基本的に五輪をベースにした4年計画です。チームというのは一朝一夕にできるものではなく、計画性の上に成り立つもの。農業と同じですね。土を耕し、種をまき、水をやり、収穫…
ですが。五輪はまさかの一年延期となってしまいました。たかが一年。されど、一年。これにより、結果的に新鍋選手と佐藤(美弥)選手が、怪我の関係で代表だけでなく選手を引退することになります。
私個人の話をすると、レセプションの確実さなど攻守の要となる新鍋選手、そして柔らかいトスワークが持ち味の佐藤選手が共に好きだっただけに、彼女たちが同じチームメイトとなって活躍する当時の代表チーム、というのは、私の理想のチームを見ている感覚でした。2019年のワールドカップは非常に楽しかったです。
中田ジャパンはこの二人の存在が前提になっていた部分が多分にあったと思います。守りを固め、相手のブロックが構築される前に速攻で決める…サッカーでいう堅守速攻、というのは弱者が強者に勝つ戦術でもあるので。
二人が抜けたことで当初のプランは大きく狂ったと思います。もちろん、島村選手の復帰が間に合ったり、帰化申請が通って籾井選手が代表入りできたりという、うれしい意味での誤算もありましたが。
3.長岡選手間に合わず
誤算といっていいのかというとそこまでではないのかもしれませんが、ネーションズリーグにも帯同させていたことを考えると(しかも一試合も出なかった)、彼女の復調を最後まで待っていたことは間違いありません。
ちなみに20/21シーズンの長岡選手の打数は150。ローテーションの関係───感染者が出た場合長期欠場の可能性もあるので、このシーズンは多くの選手を起用したチームが多かった───で、例年ほど出番が多かったわけではない同じ久光の石井選手の打数687の1/4以下。そういう試合数の少ない選手でもそこまでこだわったのはなぜか…左利きのオポジットであり火力があるから、だったと思います。
ファンの方が誰しも疑問に思っていたミドル4人選出についても、長岡選手の離脱が影響したとインタビューで発言しています。