私たちのバレーボール女子日本代表の戦いが終わりました。まさかの予選敗退、と言っていいでしょう。比較的楽な組に入り、試合時間も一試合以外はすべて同じ時間。開催国としての優遇───やっぱり開催国が盛り上がるのが五輪にとってもいいことなので───があったのだから、なおさら。
改めて振り返ってみて、試合を見ていて抱いていたのは空虚感でした。悔しさでも怒りでもない。ましてや喜びでもない。空虚。男子、そして女子バスケットボールの躍進を見て、なおさらその思いは強くなりました。
ではなんでこうなってしまったのか。あくまでも私なりの考えとしてお読みください。
そして先に申し上げますが、私は批判のために批判する、のではありません(それ大嫌いです)。批判を前提に書いているわけではないです。あくまで、私が感じたことを考えとして述べます。
※写真は全て2019年W杯バレーのものです。
なお、ドミニカ戦後に、みんなの思いの丈をぶつけ合うスペースをやったのですが、結果5時間もやってました。いろんな声が出ました。悔しくて眠れないという女子もいました。「なんでMB4人だったんですか?」「なぜ井上選手は選ばれなかったんですか?」とストレートに聞いてきた男子・女子もいました。
そんな皆さんの思いもくみ取ったうえで、心して書きます。
中田ジャパンは、とても私たちを「代表」しているチーム、ではありませんでした。
まず、中田ジャパンはこの一言に尽きます。
「誤算だらけ」
ではどんな誤算があったのか。時系列で言うとこうなります。
1.アクバシュコーチの退任
2.五輪一年延期
3.長岡選手間に合わず
4.ケニア戦での古賀選手の負傷
順にお話しします。
1.アクバシュコーチの退任
2016年のリオ五輪を受けて発足した中田ジャパン。そのいわば作戦コーチとして加入したのがアクバシュでした。しかも彼はルーマニアのチーム・CSMブカレストの監督も兼任。これは結果的に、日本の選手たちの受け入れ先としても機能しました。実際に代表メンバーからはセッターの田代選手、リベロの井上選手が移籍しています。
日本側からすればいわば選手を派遣する形で、強化につながるメリットがあり、アクバシュからすればチームを手っ取り早く補強できる。お互いそんなメリットがあったのではと思います。
また、初の外国人コーチとしての新鮮さもあったようです。詳しくは下記をご覧ください。
ところが。2019年1月にアクバシュは突然チームを退団します。詳しいことはわかりません。憶測記事はいろいろあるかもしれませんが、そういう出所不明の記事は無視しましょう(そういう記事に信ぴょう性を見出す人は、これ以上読まなくていいです)。
これが最初の誤算でした。移籍した田代、井上両選手は共に一年で日本に戻り、デンソーに入団します。まあ確かに日本のコーチを退団した監督のチームにはいづらいでしょうね。
なお、協会のページを見ると、2019年度はアクバシュの後任は置いていません。2018年度からの違いは、眞鍋ジャパンのアナリストだった渡辺啓太氏がディレクターとして加入しているくらいです。
なお、2019年といえば、U19/20監督兼任だった相原昇氏が率いる若手中心の代表チームが、第20回アジア女子選手権大会でキム・ヨンギョンも出ていた韓国を下し、最終的に優勝しています。
この年にワールドカップが行われてますが、このとき誰が作戦指示をしていたか、が映像もなくわからないんですよね。ただ、豊暉原コーチが指示していた気はします。そして2020年度になると相原氏がコーチに名を連ねています。
いわば内部昇格だったわけですが、アクバシュの後任を呼べなかったのか、呼ばなかったのか、はわかりません。ただ、結果を出し、その世代も主力になる(結果的に石川、山田、関、吉野、水杉選手がメンバー入りしています)ことを考えると妥当な人事だった、とは言えるでしょう。