東京五輪 中田ジャパンの空虚 その4~さあ次へ。選手の2021→2024~

日本代表
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まずは選手の皆さん、お疲れさまでした。今回の結果、個々のプレーに反省はあったとしても、あなたたちが申し訳なく思う必要はないです。その反省はリーグ戦、そして2024年のパリ五輪に活かすか、チームメイトに還元してください。

さて。今回の結果は2024年に向けての成果、となることで初めて報われると思います。その成果部分を私なりに考えます。

まずは籾井選手ですね。初の大舞台で、レギュラーセッターとしてトスを上げ続けたのは、結果は別として大きな自信になったと思います。また、代表選手をどう束ねるか、も大きな勉強になったような。

個人的には、強気な籾井選手も、代表では多少委縮した印象は受けました(選手にというよりは監督に対してかもしれませんが)。JTではもうタイトルを3つ獲ったので、ステップアップするために海外移籍とか検討するかもしれないですね。

そして島村選手のブロードは今回も大きな武器になりました。ネーションズリーグでは籾井-島村のコンビネーションが合ったのが最大の収穫だと思っていて、それは五輪でも存分に発揮されました。彼女に負けないブロードを打つ選手がこれから増えてきたら面白いと思います。

さて。

その2で書いたヒエラルヒーについて。「ヒエラルヒー、とまでは言わなくても、プレーでも言葉でも引っ張る存在になろうとしていた選手がいます。」と書きました。

もうおわかりですね。

古賀ちゃんこと古賀紗理那選手です(ツイッターのトレンドに「古賀ちゃん」が上がったのでこう呼びます 笑)。

バレー・エース古賀紗理那が戦線復帰「古賀ちゃん」ツイッタートレンド入り - バレーボール - 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ
「古賀ちゃん」が、ツイッターのトレンド入りした。日本のエース古賀紗理那(25=NEC)が戦列復帰し、SNS上では復帰を喜ぶ声であふれた。「古賀ちゃん」は、1次… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)

韓国戦、そしてドミニカ戦での奮闘ぶりは本当に素晴らしかったです。ケガをして万全ではないのに、それを全く感じさせないプレー。特に韓国戦はフルセットですから、病み上がりにはキツイ。でも、それをものともしなかった。「古賀ちゃん」がトレンド入りしましたが、あの、ケガがありながらもそれをものともしないような表情は、人の心をつかんで当然だったと思います。

そんな彼女の存在はプレー以上に大きかったわけです。テクニカルタイムアウトでも声を出していたのは正直びっくりしました。所属するNECレッドロケッツでもあまり見ない光景だったし。

得点源であること、そして何より副キャプテンであること、で、引っ張ろうという思いがものすごく強かったし、意気込みにあふれていたのが東京五輪での古賀紗理那選手だったと思います。もしかしたら、パリ五輪では古賀紗理那選手がキャプテンとして、そして日本代表のヒエラルヒーになっているかもしれません。

東京五輪が、日本の古賀紗理那から世界の古賀紗理那になる、その第一段階を踏み出したことは間違いありません。その続きは、10月16日のとどろきアリーナでの開幕戦で見られます!

さて。ヒエラルヒーという点ではもう一人、気になる選手がいます。古賀選手と並んでヒエラルヒーになれる選手。それは、黒後選手です。というのも、彼女は昨シーズン、東レアローズでキャプテンを務めていたから。ヒエラルヒーというより、キャプテンとしてのあり方を模索し続けていたシーズンでした(NHKで放送されましたのでご覧になった方もいるでしょう)。

今回の結果を受けて、キャプテンとしてチームを引っ張るためにはどうしたらいいか、ということは思いっきり学べたのではないでしょうか。何より、プレーで引っ張るためにはどうしたらいいか。五輪での自分の反省も踏まえて、何かが乗り移ったような黒後愛、が見られるのかなと個人的には思っています。

その続きは、10月15日のウカルちゃんアリーナでの開幕戦で見られます!

さて。皆さんに見ていただきたい写真があります。よくご存じの、ドミニカ戦後の集合写真です。

https://vbm.link/v/wp-content/uploads/2021/08/cafdaf54e5ca38ac9e31c997612ff2ce.jpg より

この写真ほど、各選手の個性が出ている一枚はないと思います。荒木選手にとっては最後の試合だったことから(発表されていませんが間違いないでしょう)、笑顔で締めくくりたいと思う選手もいて、悔しさをかみ殺して笑顔を浮かべている選手がいる一方(小幡選手の笑顔がまた彼女らしい…)、涙が止まらない島村選手。そして、これほど無表情というか、笑顔でも涙でもなく、どこか魂が抜けている黒後選手…。そして泣き止まない古賀選手…

私が一番見ていただきたいのは石井選手です。

荒木選手を讃えるように隣にいて、しかも抱きついて、笑顔を浮かべている。

結果は残念だったけれど、私たちはチームとして戦ったんだ。そこは誇りに思おう。そんな一枚でしょうか。

私自身、彼女がキャプテンとしてチームが苦しんだ19/20シーズンも、最後はやることやって終わろう、と最終戦に挑んで、勝利を収めています。

今回の大会、私自身は石井選手の活躍がポイントになると思ってました。ケニア戦で古賀選手が負傷していきなり大役が回ってきましたが、そのときも選手たちの動揺を打ち消すようにと、笑顔で入ってきたのが印象的だったんですよね。彼女の存在は大きかったし、でもそれはキャプテンとして苦しんだことがあったからでは、ということはお伝えしたいです。

※石井選手については、宜しければ私の過去のブログをお読みください。

なお、彼女は代表は引退しましたが、選手としての引退は未定とのこと。ただ、観客の前でプレーしたいと言っているので、今季は現役続行するのではないでしょうか。

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ということで、東京五輪の中田ジャパンについて総括しました。

さあ。もう、2024年のパリ五輪に目を向けましょう。3年後です!

そして10月から始まるVリーグで、東京五輪の選手たちがどんな成長を見せてくれるか。また、パリ五輪での代表入りを狙う選手たちがどう伸びてくるか。

今度は「私たちの代表」チームだと言えるようになってもらうために。

これからも一緒に楽しんでまいりましょう!