まず、失点してもすぐにネット際に行って次のサインを出す。切り替えろと言わんばかりに。リードしながら失点が続いたときも「まだ!まだ!」と大きな声で落ち着かせようとしていた。かと思えばどこか楽しそうにサインを出したりもする。私はセッターのサインの出し方は、各選手の個性が思いっきり出るので注目しているのだが、今のV1女子で一番好きかもしれない。まあ、なんか先生らしい(そればっか 笑)。
あと、この埼玉上尾戦はミドルブロッカーの横田真未選手がサーブで狙われるという、個人的には珍しいシーンがあったのだが、日曜は狙われてもクイックやブロードでトスを上げ続けたのも彼女らしかった。サーブで封じたと思ったら大きな間違いだぞ、と言わんばかりのトスワークだった。これこそ強気のトスワークや、と思った。山口珠李選手に「ツー!ツー!」「両手のツー!」「下からもツー!」とさんざん連呼されても動じなかった(しかもちゃんとツーもした)。
まあ、何より表情が豊かなので、何より撮っていて楽しかった。撮っている=双眼鏡のように見ているだけでバレーボールという競技がわかる選手、というのは木村沙織さんや新鍋理沙さんなど今まで何人かいたのだが、彼女もその一人になった。特に日曜はフルセットにもつれ込んだので、選手たちの表情もより白熱ぶりが伝わってくるものになった。
秋田と札幌で見て、今のデンソーは、間違いなく彼女が引っ張っていると思った。
でも、それは君臨する専制型というわけではなくあくまで共和型(ちょっとおっかない部分もあるけれど…)。なので今のデンソーは本当に見ていて楽しいチームだと思う。他チームのファンだけど、前衛に松井、横田、兵頭のほぼ同い年の三選手が並んでいるとジワッとくる(特に松井選手と兵頭選手は仲がいい)。
そして何より。
私の中ではパリ五輪の正セッターは彼女だ。
なので今はデンソー内の松井共和国、が、いつかは日本代表での松井共和国、になる日が来る。そう思っている。
※その時はウチの推しも宜しくお願いいたします、って選ばれるかどうかはわからないけれと、一度コンビで見てみたいという思いはある。
ちなみになんで「松井共和国」なのか、というと。元々私は欅坂とかの坂道グループの世界をバレーボールに当てはめる「坂道バレーボール部」というのをやっていて、デンソーも何かに置き換えたいと思っていたんだけど、たまたまそれを考えていた秋田大会で着ていたTシャツが欅坂の「欅共和国」だったので、これでいいや、と、単にそれだけの理由(笑)。
でも、今のデンソーを表すにはちょうどいい言葉ではないだろうか。
松井選手については、21/22開幕スペシャルでこんな原稿を書いています。宜しければツイートから参照してください。デンソーというチーム自体についても触れています。