熱闘沸闘圧闘レッドロケッツ

NECレッドロケッツ川崎
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

そして11月の船橋大会。私はこの試合から初めてカメラを持ち込んだ。元々300mmのズームレンズのある一眼レフを持っていたから、一度使ってみようかと。当初は写真を撮ることに対しては否定的だった私だったが、ファインダー越しに見える世界があると気づいた。

その「ファインダー越しに見える世界」の楽しさを教えてくれたのが、レッドロケッツだった。帰り道だったり家に帰って撮った写真を振り返っても、どこかファイルから湯気が出ているような、それくらい、ものすごく熱い気持ちが伝わってきた。

その思いが決定的になったのは、12月の川崎大会だった。この日は東レが出るということで発売開始と同時に真っ先にアリーナのチケットを手に入れた(船橋もひたちなかも買ったのは直前だった)。なのでかなりいい席で見られた。当然のことながら写真もよりその熱が伝わってくるものばかりだった。

そんな私の、今シーズンのレッドロケッツのNo.1ショットがこれだ。

コートに倒れた鳥越選手に真っ先に近江選手が気づき、手を差し伸べて起こす。やがて他の選手も気づいてみんなでその様子を見守る。これ、試合中の光景である。緊迫感ある試合の中でも、余裕は失わない。楽しむ。そんなチームの姿勢が伝わってきた。

昨日のファイナル第二戦でも、どこか余裕のある笑顔を終始浮かべていた。久光も笑みはこぼれるんだけれど、あくまでこぼれるものであって、レッドロケッツみたいな余裕から来るどこか貫禄ある笑いには達していなかったと思う。

真剣勝負で相手が笑っていることほどイヤなものはない。余裕を漂わせている、余裕の証なわけで、今季のレッドロケッツはまさにこの「余裕から来る笑い」を失うことなく、笑い続けられた一シーズンだったと思う。例えばいかにも女子同士という感じのこの写真も試合後ではなく試合中(タイムアウトでベンチに引き上げるとき)だったりするし。

なんだろう。撮影冥利に尽きるチームだった。気づけばファインダー越しにチームを見守っていた(私は東レファンだけれど)。