でも何より、東レアローズという輪の中でプレーする木村沙織選手というのは本当に見ていて楽しかった。楽しさが何より伝わってきた。チームワークは特にNECレッドロケッツとかで感じるんだけれど、東レアローズはもう少しふんわりとした輪。日常というか、共同体というか。一つ屋根の下というか。その空気は本当に好きだ。
岡山大会は席がよかったのでいい写真がたくさん撮れた。私にとっても集大成な大会になった。そして、前から一度撮ってみたかった写真がやっと撮れた。それがこれ。
バレーボール選手がスパイクの瞬間飛び上がって上を見上げて体を広げる…バレーボールの写真の醍醐味だと思う。本当は正面でも撮ってみたかったがまあなかなか難しい。
あと、こんな写真も。特にインタビューは撮りまくっていたので周りは引いていたと思うけれど(笑)、これも木村沙織選手の魅力だと思うから。
その後の木村沙織選手を間近で見ることはなかった。ファイナルステージも最後までファイナル3進出のチャンスを残しながらもNECの前に屈した。思えばあの岡山大会で、フルセットにもつれ込んだ時点である意味終わっていた気もする。
ただ、序盤低調だったチームを建て直せたのは東レアローズならではかなと思うし(古豪のプライドとかそんな安いものではなく)、ものすごく正直に言えば「優勝で引退に花道」なんてことにならなかったのは木村沙織選手らしい気もする。もしそうなると木村沙織選手が東レアローズにとっていかに大きな存在か、みたいな取り上げられ方になる。ドラマになる。
それは違う、と彼女は思うだろうし、私もそう思う。ドラマはドラマ、日常は日常。たぶんこの人の思考回路はそうだと思う。日常も非日常も私にとっては日常。Vリーグも五輪も私にとってはバレーボールであることには変わらない。そんな感じ。