I want ARROWS to come~東レアローズ滋賀24/25ファイナル~

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

いやあ、ワンチャンあるかと思ったけれど甘かったな。せめて今日は昨日と違って一矢報いてほしいな、一方的な展開になっても、ウチらしい光景がどこかで見られたらいいな。

2025年4月19日土曜日。クォーターファイナル第二戦でとどろきアリーナに向かう私の心境はこんな感じだった。

SVリーグ初年度。昨シーズンに続いての大量退団、しかも正セッターの関菜々巳選手まで抜ける…、他チームは続々と発表している新加入選手はいつまでたっても発表されない…。ライセンス規程によってチームは分社化されたことは、資本金といい本気度が伝わってきてむしろ望ましい内容だったが、肝心の戦力は…。だが、ようやく7月に発表された(これは、新会社設立のタイミングでこの時期にせざるを得なかったのだと思う)新加入選手の陣容を見てホッとしたし、後に発表された、サーブとブロックというチームの弱点を補うのにうってつけのパリ五輪出場のオランダ代表、ジュリエット・ロホイス選手の加入は大いに期待を抱かせた。

そんなこともあって、シーズン前の順位予想で私は久しぶりに東レを一位にした。選手が多く入れ替わったということは、チームのDNAというかメンタルも入れ替わるはずだ、と。それは一言で言えばタイトルが獲れないメンタル、と言ったところか。一方でチームの雰囲気───こちらも一言で言うとわちゃわちゃ───も変わってしまうという懸念もあったが。ただ、入れ替わったという点ではコーチもそうで、今まで男子含め東レ内で補っていたコーチ陣に林謙人さん、岡本陽さんといった過去東レにはいなかった方の加入というのも、DNAなりメンタルが変わる大きな要素になるだろう、と。

とはいえ、何よりセッターが海外から帰ってきた田代佳奈美選手に変わったことでチーム戦術はいわば一から作り直すことになるし、加入組が半数近くいれば戦術の浸透には時間はかかるだろう、という覚悟はあった。しかも開幕からいきなり大阪、NEC戦と昨シーズンの1、2位チームとの対戦だからなおさらだった。

しかし、開幕すると前述の四連戦は連敗するなど負けが込んだチームは、11月の愛媛で刈谷相手に両日共にフルセット勝ちを収めたのを手始めに、八連勝を飾るなど調子を上げてきた。まずはチャンピオンシップ進出圏内の八位以内、という私にとっての現実的な目標ラインはキープしていた。序盤は苦戦するのは想定内。しかも深澤つぐみ、青柳京古両選手がケガもあったのか実際のところはわからないが、ベンチやベンチ外のことも多く、終盤に向けて復調してくれば…という思いもあった。

なにせ長い44試合。チームもそこを考えてか、節によって帯同させない選手がいたこともあった。SVリーグ初年度はチームサイドも手探りだったのだ。

ただ、なんかチームがおかしいなと感じたのは1月のアウェイでのKUROBE戦だった。