2018年、湿った夏のaiko論

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── 改めて。aikoさんのライブの創り方

私がアーティストの追っかけを始めるようになったのはaikoさんが初めてです。それまでも仕事でいろんなアーティストのライブを見させていただく機会はあったのですが、前述した2010年のLLP13の横アリで衝撃を受けて「この人は一ファンとして応援したい!」と思って帰りの電車でTeam aikoに加入して、BPにも入ったほど(仕事関係なく一ジャンキーとして参戦したのはLLP14の倉敷が初めてでした)。

そうやってaikoさんのライブを見る中で感じたのは、何よりこの二点だったかな。

・ライブにやってくる観客が全く同じということは二度とないから、同じライブは二度とない

・ライブは見るものではなくアーティストと一緒に創り上げるもの、でもある

だから、ライブが終わって一斉に帰っていくジャンキーさんたちを見ると切なくなる。一緒に創り上げてきた仲間だったわけだし。これは別にaikoさんに限らずいろんなアーティストのライブでも感じることだとは思うんだけれど、aikoさんは遠くの客席のファンと普通に会話したりいじったり話を広げたりするから、より同じ場に居合わせた観客への思いも強くなるわけです。

だからaikoさんは毎回ライブを創っている、わけですね。

ステージから何千という観客を目の当たりにして「今日はこういうお客さんか-。さあ、どういうライブにしようかな」というのを毎回考えている感じ。

ただ、いわば生放送の番組をやっているようなもので、その舵取りってすごく難しいんだろうなあといつも見ていて思います。aikoさんは「みんなの声を聞かせて下さい」ということをMCで言うことが多い気がするんだけれど(放っておいてもぶっ込んでくる大阪では言わないだろうけれど 笑)、全部を拾いきれないし、中には変なことを言ってくる人もいるわけで、その拾い方がとても難しいと思う。

あと、これは会場の街の雰囲気というか気質も大きく影響する。今回札幌を見たし福岡も見たことがあるけれど、地方でのライブはジャンキーはあまりぶっ込んでこない。aikoさんはかつてライブがうまく作れなくて、終わった後にめちゃくちゃ自分を罵倒したこともあったそうだけれど、aikoさんがそこまでライブの作り方、そしてジャンキーにいい思い出作ってもらうことに心を砕いているというのは本当にすごいというか…

ちなみにいろんな都市を見ていてやっぱり大阪でのライブは衝撃だったし、「ヒュー」は関東でしかやらへんし、即興ソングで黙って手を挙げる福岡、と会場によってライブが全然変わるのは面白いです。

私、aikoさんのライブを見る前って何とも言えない緊張に包まれるんですよ。「今日、aikoに何話そう」「どうフォローしてあげよう」「即興ソングがあった場合、お題どうしよう」とか(ちなみに即興ソングはないけれど、何かの話で声をかけたら反応されたことはあります。会話まではしてないけれど。さいたまスーパーアリーナみたいなデカイ会場でもできるくらいなのですごい)。

私が札幌に移住してから、札幌で見たLLR8と今回のLLP20でどちらもジャンキーのオフ会にファンも参加者としてライブに行くから、

なーんていろいろ書いてきたけれど、よくよく考えたらこれらって全てこの言葉が言い表しているなと思った。aikoさんがいつも言っている、この言葉です。

「それが~ライブ!」