2018年、湿った夏のaiko論

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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

8/7、ニトリ文化ホールでaikoさんを一年3ヶ月ぶりに見て来ました。そこで感じたことを久しぶりにaiko(さん)論として書き起こします。なお、まだツアー中ですので、今のツアーの演出等のネタバレになることは書きません。あくまで感じたこと、をお伝えします。

なお、過去のaiko論は下記にありますので宜しければ。

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簡単にジャンキー歴を説明すると

・2010年に仕事で見に行った横浜アリーナの「Love Like Pop vol.13」でのライブの作り方に感動し、そこからファンに(もっと言うと開演前のaikoコールが全てだった)

・一ジャンキーとしてデビューしたのは2011年6月のLLP14倉敷

・そこからは毎年ツアーには参加するように(参加していないのはFC限定のLLR0のみ。アリーナツアーとはいえ15addは全通 ※そのツアー参戦記を上記のブログの中に載せてます)

・遠征は関東圏以外では仙台、新潟、愛知、大阪、倉敷、福岡、沖縄を経験(1年半前に札幌に移住しましたがそれまでは東京に住んでました)。2015年のカウントダウンも見てます。

・aikoさんの曲で花火といえば線香花火です(笑)

・あ、申し遅れましたが昭和50年生まれのaikoさん世代です

さて。今回のLove Like Pop vol.20(以下LLP20)は、偶然にもaikoさんのデビュー20周年の20と重なったわけです。また、それと同時にニューアルバム「湿った夏の始まり」を引っさげてのツアーとなりました。

私は、この「ニューアルバムを引っさげてのツアー」の初日を初めて2012年、「時のシルエット」でのLLP15リリア川口で見たのですが(一般が運良くとれて)、

このときのaikoさんの緊張感が、ハンパなかったんですね。「このアルバム、ジャンキーのみんなはどう聞いてくれるんやろか」という。それで2014年の「泡のような愛だった」のLLP17のよこすかも見に行きました(FCでチケットが取れて。でも2016年の「May Dream」からのLLP19は取れなかった)。さすがに札幌に移住したので今回は初日は行けなかったけれど、とにかくアルバムを引っさげてのツアーというのはaikoさんにとってはものすごく価値があるんだろうなあと(アーティストによってはツアーはアルバムを引っさげてやるものだと思うかもしれませんが、aikoさんはそうではないので)。

── aikoさんの作風を分ける「時シル」

さて。この「湿った夏の始まり」というアルバムですが、その話の前に、個人的にaikoさんの作品は「時のシルエット」から大きく変わったと感じています。そしてその理由の一つが、これは間違いないと思うのですが、3.11だと思います。

あの日、aikoさんはアルバム「まとめ」のリリースを受けてMステに出演する予定でした(私はあのときのアイコメを今でもよく覚えています)。

aikoさんは元々日常を大切にされる方です。aikoさんは恋愛ソングが多いですが、私にとっては日常の「一部分にある恋愛」の曲を歌っているという印象です。あくまでaikoさんの主軸は「日常」なんです。

そんな日常を一瞬にして奪い去ったのがあの3.11でした。今まで当たり前だったことが一気に当たり前ではなくなったわけです。そこから、aikoさんの曲の世界ががらっと変わったというのが私の印象です。アルバムタイトルもそれまでの「秘密」とか「BABY」とかシンプルだったのが、時シルに続く「泡のような愛だった」「湿った夏の始まり」といい急に哲学めいたタイトルになっていったと思うんです(「May Dream」はシンプルだけれど)。

そして個人的には、aikoさんは出すアルバムやシングルで、ライブにおける自分へのハードルをどんどん上げている気がします。特に「時のシルエット」の「くちびる」なんか、いきなり高音のアカペラからのスタートなわけで(「ずっと」もアカペラスタートだけれど少し低音)。

今回の「湿った夏の始まり」でいうと「夜空綺麗」なんかまさにそんな感じ。歌い出しから音楽がついてくるだけでも大変なのに、しかもそれが少し早口でいわばまくしたてるように始まる曲。これもハードル上げているなあ…と個人的には思います。

今でもハードルを上げ続ける。もっとみんなに楽しんでもらえるライブを。そのストイックさが何よりaikoさんだと思うんです。ふと、先日のニトリ文化ホールのライブで思ったんですけれど、aikoさんの歌声って年齢を重ねてもあまり変わっていない気がするんですよね。あの声を出し続けるのも大変なんじゃないかなあって思うんです。

※少し話は違うけれど、「もっと」のワルツ調の三拍子も好き。aikoさんなりの、曲の幅の広げ方であり挑戦だなあと。