─── あの日の白石麻衣と西野七瀬
さて。最後になったけれどあの日の神宮で、僕がメンバーで感じたことだ。
この日見たいと思った曲がいくつかあったけれど、その一つが「オフショアガール」だった。5周年のバスラのDVDを見て初めて知った曲だったけれど、白石麻衣の神々しさが何より出ている曲だと思ったからだ。
なのでイントロが流れた瞬間「キター!」と思った。後で知ったけれど今回のバスラでこの曲をやったのは二日目だけだったのでラッキーだった。
ただ、5周年のバスラと違ったのは、神宮は野外だったこと。夏の夕暮れに風が吹き抜け、彼女の髪がなびいたのは本当に神々しかった。
あと、アンコールは白石麻衣は秩父宮、西野七瀬が神宮だったけれど、最後の曲だったかどうかはっきり覚えていないんだけれど、前を見つめるのではなく見据える目つきの西野七瀬が画面に大写しになって、ものすごくグッと来た。
僕は生駒ちゃんがいた頃の乃木坂を知らないんだけれど、彼女がいなくなった今の乃木坂を自分が背負う、みたいな気持ちだったのかなあと。だからもう、一度彼女が表紙のマンガ雑誌に書かれていた「西野ジャパン」(雑誌では「じゃぱーん」だったけれど)でいいんじゃないかと思う。なんて。
これはたまたま出かけた名古屋で見かけたもの。今まではスルーしていたのに「あ!西野七瀬や!」みたいになったのも乃木坂脳になったためだ。
乃木坂には物語がある。メンバーそれぞれの物語と、乃木坂の物語。それらがクロスする。
ただ、一つだけ共通していることがあって、それは坂を登っているということ。何かを目指して努力している人たちの歩く道はみんな坂道だ。
そしてそれは何もメンバーだけでなくて、日々何か努力して頑張っている人の道は誰だって坂道だ。坂道の登れば、登った人にだけ見えてくる世界というものが必ずある。
「シンクロニシティ」の詞に共感して、そしてこうして乃木坂に興味を持ち始めた僕の道も、きっと坂道だ。