2024/25シーズンの、アランマーレ文化 from 庄内

アランマーレ山形
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

絶妙だった外国人選手二名

個人的にはアランマーレ山形はベテラン-中堅-若手、の年齢バランスが実にいいと思います。わかりやすく言えば木村-石盛・伊藤-佐藤・工藤の各選手…というところでしょうか。中堅はベテランの姿を見て成長する、若手はベテランをお手本としつつ、中堅に育てられながら成長する…。特に若い選手が多ければ、お手本となる選手は欠かせないわけです。

個人的に絶妙だなと思ったのが新外国人選手二名。初の海外からの移籍加入となった二人ですが、まずオレクサンドラ・ビチェンコ選手はトルコ、フランス、中国など海外リーグを渡り歩いた、いわば世界を知る経験豊富なベテラン選手(木村選手と同い年です)。

若いチームに必要な、経験だったりノウハウというものを外国人選手で補完するのはよくある手で、東レで言うとクラン・ヤナ選手もそんな感じでしたね。ちなみにウクライナ出身で、私の知る限りVリーグのウクライナ国籍の選手は女子では初めてだと思うのと、情勢が情勢ですので、ウクライナ国旗を買って試合ではときどき掲げるようにしています(上記のハートマークの写真はそのときのものです)。

そしてもう一人のドンポーン・シンポー選手は20歳で、これは工藤選手と同じ。要は勢いのある若手であり、一気に爆発するポテンシャルを秘めているがむしゃらな選手という印象です。タイ代表にも選出されるなど上り調子の選手なので、おそらくより成長するために日本にやってきたのでしょう。

そんなにじっくりと見ているわけではないのですが、ツボにハマったときの攻撃力はすごいですが、サーブレシーブなど守備面に課題のある印象。それを克服しに日本に来たのかもですね。粗削りの印象ですが、化けるとものすごい選手になりそう。そんな印象です。喜び方も無邪気で、微笑ましいですね。

そういう点では彼女をめぐる環境はいいんですよね。ベテランと中堅選手がいて、そして工藤選手という同級生もいる。一気にブレイクしてもおかしくないです。

と、経験豊富なベテランと、爆発しそうな若手。外国人選手を新たに補強したチームはたくさんありますが、その中でも実にチーム状態にぴったりな、絶妙の補強をしたなと思った次第です。

そして、このチームで見ていただきたい選手は二人います。