パリ五輪 眞鍋ジャパンの実感 その4~ロスへの道~

日本代表
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

パリ五輪で感じた、強豪国に勝つための条件

パリ五輪の試合は極力見るようにしてました。個人的には準々決勝のトルコ対中国も面白かったのですが、決勝のイタリア対アメリカは頂上決戦だけに、勉強になりました。特にアメリカは、ブラジルを撃破しての決勝進出だったのに、スト負けしたのが衝撃で。

でも、パワーで勝る相手に勝つには、相手の攻撃を無力化させることが必要だということを痛感させられました。打ち合いじゃ勝てませんから。そのためには以下が必要だなと。

①サーブで崩す(絶好の体勢で打たせない)

②拾い負けない(決めさせない)

③相手の攻撃にブロックで蓋をする

まあ簡単に書きましたが、そのために、というものまでは私には書けないんですね(間違っても「気持ち」とか言いません)。とはいえ①の「サーブで崩す」はやはり相手関係なく自分でなんとでもできるプレーなので、眞鍋さんがサーブを口酸っぱく言っていたのもよくわかるなと。

②も、ブロックと連動してコースを絞って拾える場所に相手に打たせて拾うという駆け引きもあるでしょうし、③のブロックと言っても高さが全てではなく、相手のアタックを読み切れる力だったり、リードブロック(セッターのトスを予測して跳ぶ)の精度でカバーはできると思うんですよね。

この①~③で相手の力業を封じた上で、攻撃においては下記に尽きるなと。

アタックのコントロール>パワー

決勝のイタリアを見て思ったんですけれど、いかに相手のいないところ・届かないところに打つか、がとてもうまかったんですよね。もちろんパワーのあるチームではありますけれど、強度より精度が大事では…と。日本は強度ではどうしたってかないませんからなおさら。

決勝で思ったのは、イタリアが自分たちのバレーにアメリカを引き込んでいたんですよね。それはつまりどういうことかと言うと、攻撃を無力化して守備力対決に持ち込んでいて。イタリアはサッカーでもカテナチオ(ゴールに鍵をかけたような堅い守備)といって、守備メインの文化があるのかもしれません。

自分の得意なスタイルに相手を引き込むというのはれっきとした勝ちパターンですから、強固な守備で相手を引きずり込むことが大事なんだなと思った次第ですし、その点では日本もチャンスはあるのではと思った次第です。日本はそういう、個人技に頼るのではなく組織だったプレーって得意だと思うので。

では、ロス五輪はどうなるのか、新監督はどんな人がいいのか…というのが次の話です。