①23-25は僅差ではない?
バレーボールって、意外と大差に思えても簡単に追い付けちゃう競技だなと思います。例えば序盤で8点差が開いていても、終わってみればひっくり返されていた、なんてこともありますし。それはやっぱり、20点目以降がカギなんだなと。終盤になればなるほどリードしているチームはセットを取ろうと焦るし、追い上げるチームはその逆で、ここで頑張らないと取られる…と。夏休みの宿題を最終盤に一気にやるようなものでしょうか(笑)。
なので、23-25というと一見僅差に見えますが、極端に言えばそうとも言い切れないのかなと。24-26で初めて僅差といえる、みたいな。要は何が言いたいかと言うと、たかが一点の差でも、そこにはものすごく大きな差があるのでは…と思った次第です。三セットとも23-25で負けたのであれば、惜しかった、では決してないなと(そもそも惜しいも何も、スト負けですしね)。
強豪国からは「相手に何点取られても先に25点取ればいいんだから」という余裕を感じるんですよね。
②オランダ対ドミニカの結果を分けた「修羅場力」
0勝2敗となった日本が決勝トーナメントに進出するためには二つの条件(どちらかでOK)があったのですが、その一つが「オランダ対ドミニカの試合がフルセットになる」だったので、ケニア戦の前に行われていた試合を見ていたのですが、
ドミニカ2-1で迎えた第四セットでオランダがセットポイントを握り、理想的な展開になっていたのですが、結局ドミニカが追い付いてデュースになり、最後はブロックを決めて28-26となり、3-1で勝ってしまいました。
両チームを分けた差はいろいろとありましたが、セットポイントを握られても慌てず、かつ最後はブロックで決めてしまうあたりにドミニカの底力を感じた次第です。
思えばドミニカは東京五輪でも日本を下して決勝トーナメントに進出してますし、それなりに修羅場はくぐっているんですよね。ちなみに優勝したイタリアが、唯一セットを奪われたのもドミニカだったりしますし。オランダは五輪自体の出場も2000年代は2016年だけと少なく、大舞台だったり修羅場の経験値はドミニカにあったことは間違いありません。
その「修羅場力」という点では、日本はVNLという国際大会の決勝という舞台に立ったことは、大きな価値があったと私は思います。
③トルコ対中国に見た「世界のバレー」
フルセットにもつれ込んだ準々決勝・トルコ対中国で、トルコがマッチポイントを取った時のことなのですが、チャンスボールがトルコに返ってきて、さあここはどうするだろう、ここは頼れるエース・バルガスかな、でもサーブ打ったから後ろにいるし、さあどうする…と思ったらセッターがツーで試合を決めたんですね。今見たらNHKはまだアーカイブが見られるので、2:31:00からご覧ください。
いやあ、マッチポイントでツーを繰り出すセッターって、日本じゃ考えられなくないですかね。最後は頼れるエースに決めてもらう…というのが日本人の発想では。でも、海外はドライというか、あのときはバルガスが後ろだから、一番確実な点の取り方を選択しただけというプレーに見えました。
世界の上位に勝つにはこれくらいドライでないと…とふと思ったんですよね。
次は、第二期眞鍋ジャパンが選手などにもたらしたもの、を今一度振り返ります。