今更乃木坂~「俺の齋藤飛鳥」~

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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

僕は「俺の○○」(○○は人名)というのが嫌いだ。いや、これが妻帯者による「俺の嫁」ならいい。文字通りあなたものだからだ。でも、もし自分が推しているアイドルグループの女の子のことを「俺の○○」なんて言う気は全くないし、他の誰かが言ったら程度の差こそあれどムッとはする。理由は簡単で、あなただけのもの、ではないのだから。

乃木坂46を勉強しようと思って「乃木坂46物語」を読み、ライブDVD(5thバスラ2日目)を見たことは前回ここに書いた。そしてそのときいわば推しを探す目線で見ていたときに、引っかかったのが齋藤飛鳥だということも書いた。今日は、その話。

そのDVDを見ていたとき、ある曲で最後にアップで映し出された、笑顔なんだけれどどこか照れているような、でもどこか泰然とした、余裕をただよわせているような表情がまず印象に残った。その彼女はやがてMCで「お前らマジ覚えとけよ!」と言い放って僕をびっくりさせた。僕はこれまでそれなりにいろんなアイドルグループのライブを見てきたけれど、こんな言葉を吐いたメンバーは記憶の限りいないし、そもそも僕は煽りとかで「お前ら~」と叫ぶ(呼ばれる)のは伊藤麻希以外好きじゃない。

でも彼女のそれは、なんでかわからないけれど面白い、と思った。かと思ったら、バンドコーナーで彼女は堂々とドラムを叩き出して、さらに僕をびっくりさせた。なんだこの子は!

30人近くはいるメンバーのプロフィール写真の中から彼女を照合するのはあまり簡単なことではなかったけれど、その彼女は齋藤飛鳥だと知った。そしてある曲はやがて「裸足でSummer」だと知り、やがて僕が乃木坂を勉強していくにつれて、それが彼女の初のセンター曲であり、だから大写しになったのだと気づいた。

ただ。彼女は一期生だったとあとで知ったのだが、僕が読んだ「乃木坂46物語」に彼女はあまり出てこない。つまり、彼女は当初からいわゆる「人気メン」、ではなかったようだ。

そして、僕が乃木坂46を勉強する前に彼女について知っていたことと言えば、週刊プレイボーイの表紙になっていたこと、くらいだった。逆に言うと知ってはいた。レベルで言うと、白石麻衣、西野七瀬ほどまでは知らなかったけれど名前しか知らなかった生駒ちゃん以上は認知していたということだ。

ただ、ふとあとで気づいたのだが、ツイッター上で彼女の物販対応ぶりが流れていたのを見たことがあった。それはいわゆる「塩対応」として報じられていて僕もそう受け取った。この話はまたあとで出てくる。

こうして少しずつ乃木坂46、そして齋藤飛鳥という女の子に興味を持ち始めると、乃木坂を見る目が変わりだした。例えば雑誌の表紙にメンバーの誰かが出ていても今まで白石麻衣と西野七瀬以外は気づくこともなかったけれど、「あ、桜井玲香だ」(彼女のことはキャプテンであることも含めて全く知らなかった)とかになったし、会社の後輩が、写真撮影の構図の参考にと会社に置いていた齋藤飛鳥の写真集を、私の目に着くところに置かせるようにしたり(やがて彼が異動するときは半ば強制的に置き土産にさせた)。