そしてその開幕戦。第二試合に登場した東レアローズの選手たちの中から彼女を見つけ、レンズを向けることにした。これは、そのとき撮った、最初の方の写真だ。
家に帰って写真を選定していて、これを見てあっ。と思った。
どうも、彼女を中心に、ではないけれど、そこには単にチームメイトという言葉では片付けられない輪があるのでは…
そしてふと気づいた。11番中島未来選手、12番小川愛里奈選手、13番黒後愛選手…3人とも1998年生まれなのだ。続く14番関菜々巳選手はさらに下がって1999年。なるほど、この最後の1900年世代が東レアローズの中心になっているんだなと。何のことはない、東レアローズは急速に世代交代を進めているのだと。峯村選手がNECに移ったのもそういうことかもしれない。
もしかしたら彼女を撮り続けていたら、そこに私の中の「風の谷の東レアローズ」が全て詰まっているのでは…
そう思った私は、次に向かった刈谷の地で、さらに追い続けてみた。トヨタ車体クインシーズ対東レアローズの試合は、東レが3-1と勝利した試合だったこともあって、ファインダー越しに見ていて微笑ましい試合だった。そして、私の予想も的中していた。
どうも小川愛里奈選手と黒後愛選手には、試合前にイチャつくルーティーンがあるようで、この日もこんな光景が見られた。
あと、ちょっと面白かったのが、これはテクニカルタイムアウト明けなんだけれど、関選手とタッチするときにわざと空振りしてやり直す、なんていたずらもしていたり。
あと、これは試合を見ていて気づいたんだけれど、セッターの関菜々巳選手がとにかくよくて。まだ高卒の19歳のセッターなんだけれど、チームを鼓舞する生徒会長みたいな感じだった。
試合中にサインを出した後に「ここでずるずるいかせねえぞ!」みたいなことを言っていたのだが、気づけばだいたいコートにいるのは大野選手とヤナ選手を除けば同世代どころか(ほぼ)同年齢なのだ。