君の名は日立リヴァーレ第二章

日立Astemoリヴァーレ
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

私はフルマラソンの経験が何度かあるのだが、終盤に来て「もうヘトヘトだけれどまだまだここから」という気分になるときに聞きたくなる曲がある。この「R.Y.U.S.E.I.」を聞きながら、ふとそんなことを思い出した。フルセットに持ち込まれてヘトヘトだけれど、勝利のためにはここでもう一踏ん張り必要。ここまでよくやったね、勝利までもう少しだよ。そんな気持ちにされてくれる曲であり、パフォーマンスだった。応援団はそこまで考えて選曲をし、パフォーマンスをしているのだと思った。

だってこの日のリヴァーレ応援団のセット間の応援タイムの二回目はフルセットに突入したとき、というのはわかっていたから。それに合わせた選曲だったのだ。

そんな気持ちに浸っていたときに、目の前のベンチでは日立リヴァーレの選手たちが集まっていたのだが、角田監督が控えエリアの選手を何人か呼んでこのようなことを言った。

「お前らそこに座っていて。得点時に声出してもええから」

つまり、少しでもベンチに座る選手を増やして、盛り上げ要員として使ったのだ。

そして迎えたフルセット。最初のポイントを取ったのは日立リヴァーレだった。一斉に沸き立つベンチ。ファインダー越しに鳥肌が立った。あ、これはもう日立勝ったな。そう確信できた。

このフルセット前のタイムアウトの時間に、日立リヴァーレの全てが詰まっていた。