東レアローズ滋賀「多様性」への一大転換

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

2024年7月1日に発表された東レアローズ滋賀から新加入選手。それより前の6月13日には新体制も発表されています。新加入選手編新会社設立編に続いてここでは今後のチームの行方を占う選手戦略などについて、私なりに解説します。

大量退団=雇用の流動化

ここ数年、東レアローズといえば大量退団、というイメージがついてしまいました。試しに検索で「東レアローズ女子」と入れたら「退団」という言葉が1番目に出てきてしまいます(同様のチームはいくつかはありますが)。ホントにそうなの?と思って直近5年で調べてみましたが…

2019年度(2名)
堀川、日髙

2020年度(2名)
大野、伊藤

2021年度(1名)
白井

2022年度(8名)
中田、小川黒後、クラン、水杉、石川、野呂、坂本

2023年度(7名)
井上、タナパン、吉野、真鍋、大﨑、西川
※赤太字は移籍(海外含む。タナパンは予想)。全て敬称略。

あ、確かに多いな(苦笑)。この手の退団は多いとどうしても「何があった」という詮索だったり、悪意のあるゴシップ的な興味の持たれ方をされますし(よくある「大丈夫?」という、心配しているように装う言葉を使ったり)、実際「退団なぜ」という言葉も上位に挙がってきてますので。
※なお私は内部事情など知りませんし、そこにゴシップ性を求める下衆な人は時間の無駄なのでもう読まなくていいですよ。

まあ逆に言えば今までが少なすぎた、残ってくれたともいえると思うのですが(退団は多いけれどみんなが移籍で出ていったわけではない)、退団が増えたのは他チームもそうでは、と思います。下衆の勘繰りになるのでいちいち調べませんが、今シーズンは開幕を前に選手の移籍が活発になっている印象は、皆さんも持たれているのではないでしょうか。

つまりこれは雇用の流動化だと私は思います。従来は、親会社の社員として入社して、引退後もそのまま社員として働く、つまり終身雇用だったわけで、それにより有望な選手を獲得できるメリットがありました。それが大卒に比べ働き口が狭くなりがちな高卒の選手だったらなおさらで、実業団形式ならではの仕組みだったわけです。

ところが、転職市場の活発化といい世間的にも終身雇用はかつてほどではなくなっている印象は受けますし(私も転職組です)、実際女子バレーボールでもそうなんだとか。

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やれる間はバレーボールをやって、競技生活が終わったら会社でしっかり働く社員選手は決して悪くない制度だと思います。ただ今年1月に全日本女子の監督でヴィクトリーナ姫路のオーナーでもある眞鍋(政義)さんと食事をしたとき、「女子のほうがプロになりやすい。社員でも終わったら辞める人がほとんどだから、現役時代に給料を出せる選手にはもっと出してあげればいい」という話をされていましたね。

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これは個人的な印象ですがウチが、というわけではなく高卒選手はだんだん減ってきた印象があります。実業団に入団して引退後もずっとその会社に、というのを望まなくなった選手が増えてきたから、ですかね(となると学歴が必要)。

たぶん選手の理想は大学で教職を取って、引退後は教師としてバレーボールを教えることなのではと思います。そうするとバレーボールに関わり続けることができますしね。最近だとかつてKUROBEにいた星加輝選手、小杉凛華選手がそうですし、実は小杉選手と富山第一高校の同級生だった松井珠己選手も教職を取っています。

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今後プロ化を志向するチームも増えてくるでしょうし、となれば実業団ではないので終身雇用でもなくなりますので、選手であったことが武器になり、キャリアのステップアップになることを目指す選手が増えるのではと思います。とはいえ家庭の事情等で大学に進みたくても進めない選手もいますし、いち早くプロの舞台で活躍したい選手もいるでしょう。

ここまでは概況でした。では、そんな中で東レの人員面でのチーム戦略はどうでしょうか。