Vリーグを撮るという“観”戦

カメラ
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

あと、Vリーグを見に行くようになって気づいたのですが、バレーボールって写真の撮りやすいスポーツなんですね。野球やサッカーはフィールドが広すぎますし、選手が動き回るのでお目当ての選手をたくさん撮るのは難しいわけです(野球なら先発投手なら撮りやすいですがでもネットがあります)。

同じ体育館スポーツで客席との距離が近いバスケは、選手の動きが激しいので撮りづらいです。その点バレーボールは自陣内で選手がそんなに動き回らないですし、プレーが短時間で途切れますし。シャッターチャンスが圧倒的に多いわけです。

さて。写真を撮るようになってから、試合観戦の仕方も変わるようになりました。

①チケットはできるだけ発売と同時に買う

当たり前のことなのですが、でもVリーグはチケットが完売することは滅多にありません。試合を見るだけなら当日券でもいいわけです。

でも、少しでも選手の近くの席を取るためには早めに買った方がいいわけです。もっとも早く買いすぎると最前列になって通行人が多い席になるというジレンマもあります(笑)

②会場には早く入る

それこそ開場と同時に入るようにします。なぜかというと、コートで練習をしていることもあるからです。もちろん、選手は試合中を撮るべきであって練習風景まで撮るべきではないという考えもあるでしょうが、試合では見られないリラックスした雰囲気だったりして、また違った写真が撮れることもあるからです。

※ちなみに私はコートにいる選手が好きなのであって、出待ちはしないですし当然出待ちのときの写真も撮りません。

③好きなチームがどっちのサイドかを気にする

基本的にVリーグは野球やサッカーのようにホーム側やアウェイ側と分けてチケットを販売することはありません。応援エリアはチームに別途割り当てられていて一般では買えません。

つまり、会場に着いて初めて自分の席がどっちのサイドなのかが初めてわかるわけです。その判別の仕方は、応援団が張る幕です。なので真っ先にそこを注目するようになりました。

バレーボールはセット毎にサイドが入れ替わるので、そこまでこだわる必要もないのですが、でも自分の好きなチームのサイドにいれば試合前の練習もそのエリアでやりますし、仮に3-0で終わった場合でも2セットは自分の席の近くにいる回数が増えるわけです。

他にもいろいろありますが、この辺にしておきます。

また、写真を撮るようになってから個人的に注目するようになったポイントがあります。

それは、セッターのサインの出し方。これは本当に選手によって異なります。

佐藤美弥選手の凛々しい出し方も好きですし、比金桃子選手の、目の動きも使ったサッとした出し方も、関菜々巳選手の勢いのある出し方も、奥山優奈選手のNECの伝統とも言うべき、どんなときもにこやかに自信持って出す姿(この試合はNECは負けましたがそんなことは微塵も感じさせない出し方でした)も、古藤千鶴選手の「わかっていると思うけど」みたいな最終確認的な出し方も、それぞれ味があります(個人的には飲食店でのオーダーの取り方に似ていると思います)。

個人的に最近一番印象に残った「ベストオブサイン」はこれ。

これ、11/3のVリーグ開幕戦での一枚なのですが、新加入のジャック選手に対して田原愛里選手が「いいね、これだよ」みたいに念押しするように丁寧に出しているところ(だって開幕戦ということはジャック選手にとっては日本での初戦なわけです)。

わかりやすく言えば新入社員へのオリエンテーションというところでしょうか(わかりやすいか?)。

こんなところに注目している人は私くらいしかいないなとは思いますが(笑)、でも、こうしてここに新たな楽しみみんを見つけた方もいらっしゃるかもしれませんし、皆さんの楽しみ方の幅は広がったのではないでしょうか。

私自身ツイッターを通してこのような写真を、まあいわば「作品」をアップしているわけですね。でも、その反応などを見てそれが明らかに他の人たちと違う視点になっている、ということも個人的には楽しかったりします。また逆に同じシーンを撮っている方もいて「あ、同じところ注目している」と思う(一種の安心感)こともあります。