23/24 マイVリーグアワード~ベスト6編~

マイVリーグアワード
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

③福留慧美選手(リベロ・デンソーエアリービーズ)※初選出

元々代表では見ていた選手ですけれど、そこまで注目していたわけではなかったんです(基本的に攻撃に絡むポジションの選手ばかり見るので)。

でも印象が変わったのが1月の刈谷でのトヨタ車体戦。アタックを、体全体を使って受け止めていたのですが、その受け止め方というか体のぶつけ方、が印象に残ったんですね。ボールの勢いを絶妙に殺していたといいますか。むしろ自分からボールに当たりにいってそれで勢いを殺し、かつ上に上げる…そんな印象を受けました。

でもそれって練習を積んでも誰もができるわけではなく、なんとなくですが、彼女の体の柔らかさがなせる技、でもあるのかなと。リベロは相手のアタックを体を張って止める、だけではなく、そこから攻撃につなげられるボールに変換させる必要があるのですが(要はセッターがあまり動かなくて済むボールに)、あくまで個人の印象ですが福留選手は体が柔らかいので、いわばクッションでボールを受け止めている感じになるんですよね。だから、ボールの勢いを殺せるんです。

代表のリベロは久光の西村選手などレギュラー争いはし烈ですし、五輪は一枠になると思うのでネーションズリーグなどの活躍が楽しみですね。

④野中瑠衣選手(アウトサイドヒッター・日立Astemoリヴァーレ)※初選出

今シーズン、確固たる自信をつかんだ、という印象です。昨シーズンまでは不動のレギュラーとはなかなかいかなかった印象ですが、上坂選手の離脱でオクム大庭選手がレフトに回ったこともあるのでしょうが、つかんだチャンスを手放さなかったし、試合に出るにつれて主力の自覚というかな…チームを引っ張る、という責任感も身にまとった印象ですね。

見ていても今までの表情とは違ったというか、目が座った、つまり気が座った印象を受けました。昨シーズンは追加での代表召集もあったので今年も入ると思ったんですけどね。

彼女については昨シーズンこんな記事を書いたのですが、その記事の最後にこうしめくくったんです。「きっと来年は咲き誇った彼女の盛大な凱旋試合になる。」と。

その一年後となる今シーズンの秋田大会は、フルセットで久光を破ってVOMに輝いたそうで。これはうれしかったな。ようやく胸を張っての凱旋、がここでできたことでより自信がついて、今シーズンの活躍につながったのではと思うわけです。

それによるものかどうかはわかりませんが、12月の皇后杯準決勝の試合後、敗退したけれどどこか胸を張って応援団の挨拶に応えていた印象を受けましたね。上述しましたが、今シーズンは表情が変わってきた、たくましくなってきた印象です。

そういうサクセスストーリーは、他チームのファンでもグッときますね。私はそういう物語を見に、そして探しに足を運んでいるので。でも彼女の物語はまだ終わりではないので(代表に入れなかったし…)、そっと見続けたいなと思います。