仁井田桃子選手(アウトサイドヒッター・埼玉上尾メディックス)※2回目
前回選んだ時はプレーはほとんど見てなくて、控えエリアでの具体的な声のかけ方、だったのですが、今回はプレーもさることながら、その人間性というかな。そこが何よりのポイントです。
まずポイント①。二枚替えで黒後選手と代わるとき、必ず何か言葉を交わしていたんですよね。表情からするに、相手のブロックとか戦術の指示をしていたと思います。二枚替えで都度ここまで会話しているケースは、私が今まで見てきた限り彼女くらいです。
あとこれは元々ですが、控えの時もTOでけっこう具体的な話をしている印象を受けます。
そしてポイント②。これは2023年11月18日の日立Astemo戦でのことだったのですが、コートチェンジの時にロゾ・サラ選手が主審に抗議というか、何か言ったのですが、とっさに主審に「ごめんね」みたいなジェスチャーをしたんですね。
元々マルコス監督の扱い方もうまくて(笑)。主審に抗議することの多かった監督だけに、そこに割って入って「はい、そこまで」みたいなこともしていたんですよ。おじいちゃんを手なずける孫みたいな関係でした(笑)。なので外国人選手の扱いはそこで鍛えられた…というのは冗談ですが(笑)、でもこういうフォローのできる選手っていいなあと。
①②とあわせて、こういう選手ってチームに必要だよね、という典型例だと思います。
梅津憂理選手(アウトサイドヒッター・KUROBEアクアフェアリーズ)※2年連続2回目(前回はマイベストキャプテン)
昨年はマイベストキャプテンに選ばせていただきましたが、その時と同様、この選手も人格に惹かれることが多かったですね。
印象に残った試合が二つあって、まずはフルセットにもつれ込む熱戦となった2023年11月26日のNEC戦。これはフルセットを前にしたTOでの光景です。写真を見ていただければだいたいはお分かりいただけると思います。
第五セットを前に緊張している佐藤・住田両選手を笑わせて、リラックスさせているんですよね。昨シーズンもこういう気遣いのある光景を見てましたので、これが梅津選手だなあ…と思いながら見てました。そしてもう一つは12月23日のアランマーレ戦。フルセットの末勝利するのですが、内定選手(在学中)の秋重選手をこのようにねぎらっていて。
こういう、絆が垣間見られる光景って大好きなんですね。だからバレーボールを撮るようになったのですが、彼女はそういう光景が多いのと、何より仁井田選手同様、こういう選手ってチームに必要だよね、という選手です。
黒部大会の時、あるお店に行ったときに彼女の手書きのカードを見かけたのですが、そこに書いてある文章も素晴らしくて。それでさらにその人間性に惹かれましたね。昨シーズンから注目するようになったのもあって、今シーズンはプレーシーンもよく撮りましたが、バックアタックを撮れたのは大きかったな。
彼女がいればこのチームは大丈夫。そういう、いわば縁の下の力持ちですね。来シーズンも楽しみにしております。