最優秀スタッフ賞:熊本比奈社長(株式会社MIRAi)
こちらの賞は、ベンチスタッフ以外を対象としています。
カノアラウレアーズ福岡の熊本比奈選手。今シーズンは株式会社MIRAiの社長も兼ねてました。それに対する表彰です。やっぱりですね、選手兼社長って前代未聞なんですよね。詳しくはこちらで書きましたが、
株式会社MIRAiを起業したということもすごいし、それが今後の選手のセカンドキャリアを見据えたもの、そして地元に新たな名産を、ということもすごいんですよね。だって、海のない福智町でウナギの養殖、ですから。でも、これこそが究極の地域貢献なのでは…と思います。
バレーボールチームが、バレーボールを通してだけでなく、そこから派生した事業で街に貢献していく。上述の記事でも書きましたが、もはやカノアラウレアーズ福岡ホールディングス、という感じなんですよね。バレーボールはその一事業に過ぎず、それを核としてさまざまな事業を展開…という。
なんでかというと、これはSVリーグ参入を目指しているからと思います。ご存じの通り、いずれ6億円の年間売上が必要になるわけですが、それをスクール含めたバレーボール単体では限界があるんですよね。人口の少ない福智町ならなおさら。なので、派生事業で稼ぐわけです。これもSVリーグの一つの未来形だと思います。
さらにこれが成功モデルになれば…。そこは熊本社長にかかっているといっても過言ではないでしょう。
2月の田川のホームゲームを見に行った際、久しぶりに福智町を訪れました。もちろん加乃福うなぎにも行ってきました。まだ開店はしていないですが、ここは要は、福智町でカノアを感じられるスポットな訳です。今は唯一と言っていいでしょう。でも、もしかしたら同様の事業がこれからどんどん福智町内に増えるかもしれない。引退した選手が事業を立ち上げて、福智町内に拠点を作っていくかもしれない。
そうなってくると、福智町がカノアのテーマパークになるかもしれないんですよね。そういう可能性はあるし、それは福智町という小さな町だからこそできること。つまり最小での最大化。カノアの取り組みも、SVリーグの未来を左右するといっても過言ではないでしょう。
選手として全く触れないのもあれなので。私自身熊本選手はトヨタ車体のときも浜松の時も見ていなかったので、カノアでの彼女、が初めてだったのですが、最初は木村沙織さんを重ね合わせていたら近江あかりさんだった…というところですね(笑)。和気藹々というよりはピリッとした緊張感を漂わせている選手でした。
今シーズン見ていて、彼女が心血を注いで、選手たちを育てて束ねて、カノアを「チームに」してきたんだろうなあ…と。選手兼任監督の側面も強かったんじゃないかな。指導するなら、コート上で自らお手本となった方が手っ取り早い。そんな感じです。
ケガと戦いながらの、長い現役生活お疲れさまでした。最後は地元にチームを立ち上げて、そこで引退ができたのですから。これからはGMとして、そしてMIRAiの社長としてのご活躍、楽しみにしてます。
審査員特別賞:東レアローズのバックヤードツアー
2024年3月のV Cup草津大会で行われた企画です。ファンクラブ会員とか関係なく抽選で選ばれた人が、試合前のロッカーやコートなどに入れるという企画でしたが、私が知る限りこういうツアーをやったVリーグ女子のチームは知らないので、初めての試みじゃないかなと思います。
流れとしては開場30分前に会場入口に集合後、OGの迫田さおりさんと中道瞳さんと共に会見場やロッカーを回り、最後は場内に入って選手のベンチに座り、コートにも入って最後は会見場で希望者は写真撮影、というもの。トータル15分くらいかな。もちろん選手の会場到着前ですが、迫田さんと中道さんの裏話と共に舞台裏を知ることのできる、貴重な企画でした。ロンドン五輪メダリスト二名によるツアー、は東レならではの強みですね。
舞台裏を知ることのできるスタジアムツアーは、海外のサッカーチームではけっこう人気の定番企画で(貴重な収益源でもあります)私もよく行ってます。でもそれがVリーグで…というのはすごいなと思いました。こういっては何ですが、ウチはファンサービスとか他チームに比べれば積極的ではないのですが、去年のフォトコンといい、たまにこういう神企画をやってくれるところが好きです(笑)。
さて、続いては試合編です。