ガールズルール~小川愛里奈&黒後愛選手、二人の絆~

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

そしてこの日は東レアローズがデンソー相手に3-0で快勝したんだけれど、試合後小川選手が黒後選手に抱きつきに行ったら、まさかそのまま抱え上げられて試合後の勝利の円陣に放り込まれてしまった。越谷コーチが入り込んでしまって写真が撮れなかった(笑)ので、別の方のツイートをご紹介します。

小川選手は試合には出ていなかったけれど、地元岡山での成人式の日だったから、ということなのだろう。東レアローズらしい光景だと思った(この、誰かが真ん中に押し込まれての勝利の円陣、というのは昨シーズンか今シーズンから始めている。私は昨シーズンの東レアローズが見られなかったのではっきりしないのだが)。

こんないわばいたずらも仕掛けてしまう。二人はそういう関係なのだろう。あとこれは2019/2/2のグリーンアリーナ神戸の写真。最近中継を見ていて、試合後の記念写真で、二人が後ろの方でポーズを撮っているなと思っていたのだが、まさにこれがそうだ。

そんな二人の絆を、個人的になんだけれど象徴しているなあと思ったのが、2019/1/13の、ジップアリーナ岡山の試合後だった(さっきの成人式の日のです)。試合後、応援団の陣取る席に向かって選手たちが挨拶に行ったんだけれど、

急に小川選手の肩を叩く黒後選手。

「えっ、なになに?」と聞く小川選手。

知らんぷりする黒後選手。

何も聞かない小川選手。

肩を叩いたのは何だったんだろう。円陣に放り込んだことのごめんねの思いだったのか。試合中、タイムアウトなどで自分を支えてくれたことの御礼だったのだろうか。

それとも、成人式を迎えてこれからも二人仲良くやっていこう、という思いからだったのか。

まさに青春の一ページ、という感じの光景だった。

きっとこの二人は、これからどんなに大人になっても、この絆で強く結ばれたままなのだろう。何年か、何十年かして、二人がこの写真を見て「こんな頃もあったね」と笑い合う日が来るのならば、私は幸せだ(私は生きていないかもしれないが)。

そしてこのコート上でのガールズルールは、いつまで見られるのだろう。いつか黒後選手は海外に行くかもしれない。また、バレーボールの選手の寿命は短い。いつまでも選手として活躍できるわけではない。

だから私はいつまでもこの二人のガールズルールを撮りたいと思った。もし黒後選手の海外移籍前最後の試合とかあったら。そのガールズルール、私はファインダーで二人をきちんと捉えられるかなあ。