バトンでつないだ一年限りの最高のリーグ~V3女子23/24ダイジェスト~

アルテミス北海道
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

V3がもたらした連帯感。まず最初はファン…いや、サポーター間の連帯です。それについては最後の鈴鹿大会で会場内に掲出されていたこの紙が、全てを物語っています。これが一枚目の写真。

これを、チームが掲出するのならまだわかるのですが、ヴィアティン三重の応援団というところが全てなんですよね。応援団ということは当然ながら自分のチームを応援するのが基本です。でも、その熱を自チームだけでなくリーグ全体にも向けていこう。そう呼びかけていたのです。

ただ、それは何もヴィアティン三重だけの発信ではなく、元はカノアラウレアーズ福岡のMC・ゆうきa.k.a.地球さんの発言だったようです。

カノアラウレアーズ福岡のホームゲームは2月に行ったのですが、ゆうきa.k.a.地球さんのMCぶりはまた独特でしたね…脱力系MCとでもいうんでしょうか(笑)。進行は女性に任せて、どこか独り言のように話すという、独特の空気感でした。

ただ、だからこそ上述の「4チームしかないV3女子、自分が応援しているチームだけじゃなく、みんなで作り上げていこう」というメッセージを発する気もします。脱力系ではあったけれど、ゆうきa.k.a.地球さんは何もふざけていたわけではなく、VOMインタビューで熊本選手が涙で言葉に詰まった時は「話さなくていい」と、このように静止していましたからね。

結局V3は4チームしかないから常に一括開催だったわけで。だから各チームのMCやサポーターによるホームゲームの文化、をバトンでつないでいったんじゃないかな。だからそのバトンリレーの最後が鈴鹿大会で、そしてあのヴィアティン三重の応援団によるメッセージの掲出、につながったと思います。

各チームの垣根を越えて、各サポーターがみんなでつないで、V3を盛り上げていったわけですね。

そしてもう一つの連帯は、選手です。

先ほど、バレーボール学会での國分チェアマンの講演の中でV3女子も出た、ということを書きましたが、実はもう一つふれていたことがあるんです。それが二枚目となる、この写真。

そう。集合写真です。最後に集合写真を撮るくらいチーム同士が連携していた(それもあって入場者も多かった)…みたいな話だったかなと思います。

この集合写真は、V3最終日となった2月25日の鈴鹿大会の、第一試合と第二試合の間に撮られたものなのですが(ちょうど全チーム揃っているので)、アナウンスがあったときは「ああ、パンフにあるような、各チームごとの集合写真なんだろうな」と思ったら、こんな風に全チームが入り混じる、いわば収拾のつかない集合写真で(笑)。前代未聞のわちゃわちゃの集合写真でした。

オールスターとかだったらあると思いますが、例えばファイナルの試合後に両チームが入り混じって集合写真を撮る…なんてことはまずないですよね。黒鷲旗とか春高の閉会式後とかならありそうですが。そう、つまりV3という大会の閉会式を見た思いでした(この光景が一番近いと思うのは、各国の選手たちが入り混じって盛り上がる五輪の閉会式です)。

いや、卒業式と言った方がいいかな…集合写真というよりは卒業写真、かな。

しかもこれ、後で知ったのですが、ヴィアティン三重の選手の発案だったんですね。

「最初で最後のV3リーグ」「どんな結果であれ、今回限り特別なV3」「4チームだけで戦ってきた」

これが、V3のいわば先輩役だったヴィアティン三重の選手から、というのがらしいなといいますか、V3の全てを物語っていると思います。

このチームのサポーターたち、そして選手たちがいたから、このV3があったんです。

試合以上に、何より、楽しい時間をありがとうございました。それでは皆さん、ご一緒に。

\ V3最高! /