結果的にファイナルステージには進めずこの試合が今シーズン最終戦になってしまったし、ファイナルステージに進出しないシーズン、というのは私が追いかけてからは初めてなので、こんなに早くシーズンが終わったのは初めてだけれど、そこに不思議と悔しさとかはなかった。
ま、(この成績なら)当然だよね、というのもあったし、元々過渡期だと腹を括っていたのもあったけれど、何より…
選手たちは決して下を向いてなかった
ということだったと思う。勝つチームがこれだけ勝てないと、多くの選手が抜けたこともあって「さぞや東レファンたちは悔しいだろう」と憐みの目で見る他チームファンの人もいたかもしれないけれど、そんな感情はシーズン中なかった。
だからオレは本当にアロともなのか?と思ったのも事実だった。ファンだったら、応援しているチームがこれだけ負けて悔しくないのか、と普通は思うだろうし。でも、勝てないことで荒れるアロとも、というのは私が見る限りは見当たらなかった(酒の量は増えたかもだが 笑)。
それは冷めているというわけではない。さっきも書いたけれど、選手たちは決して下を向いていなかったし、そして…
何より、関選手が頭を抱えながらも奮闘して、これだけのチームに仕上げた、というのをシーズンを通して目の当たりにしてきたからだと思う。それが、今シーズンずっとアロともたちの心を支配していた気持ちだった。
そう言い切れるくらいに彼ら・彼女たちの今シーズンを見ているということは、私はアロとも…かどうかはわからないが、アロとものとも、とは言えるのだろう。
───
シーズンが終わって10日後。関選手の退団が発表された。海外移籍を目指すという。なんとなく覚悟はしていた。今にして思えば、昨シーズン終了後に選手たちが多く抜けたけれど、いわばチームの最後の引継ぎというか、「遺す」ことをこの一シーズンを通して行っていたのではないか。
頭を抱えながら、これからのチームを、これからの東レアローズを作っていった。
だから、アロともたちはある意味盛大に送り出した。ありがとう、いってらっしゃい、石川真佑選手に続いて世界に羽ばたけ、と。
彼女は最後にこんな言葉を残した。
「やらない後悔よりやって後悔」
まあ、そんな大きな、誰にも簡単にできない勇気ある決断を下せたのだから、やったことに後悔することは絶対にないと言い切れるのだが、
それはもしかしたら、一年前のあの日があったからこそ彼女が辿り着いた境地かもしれない。
皇后杯から続く、代々木でのあのシーン───
トスを上げない後悔より上げて後悔
どっちがよかったのかって?
そんなこと、アロともに聞くまでもない。
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~東レアローズ23/24シーズン~
完
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