私は元々、Vリーグ全般を押しなべて見る。東レファンというよりは、Vリーグの中で東レファン、というところ。1がいい、と1だけ見るのではなく、100を見た中で1がいいと言いたいタイプ。なので、シーズン中も全試合を追いかけるわけではなく、別の試合を見に行く、なんてこともある。
今シーズンはそれが12月の岡崎大会、そして1月の岡山大会となったわけだが、いずれも土日共に負けている。しかも、その負け方がどちらもよくなかった。岡崎大会はNEC相手にあっという間に終わったというし、翌日のデンソー戦も含めて選手の気持ちが伝わってこなかった…という話を聞いた。
岡山大会は、前週にNEC相手に勝ってまだファイナル6の可能性はある!と望みをつなぐはずが、日立Astemoと岡山に連敗。先週の雰囲気はどこへやらで、またいつものアロじょに戻ってしまった…という話を聞いた。
結果的に、アロともが肩を落として落胆するような試合を私は見ていなかった。そんな私が新聞を通してチームを伝えることに何の意味があるのか?という疑問が芽生えた。ターニングポイントになる試合を見ていない中で伝えたところで説得力はない。簡単に言えば、いいところだけを見て伝えても、それは真実とは言えない。岡山の結果を遠く離れた札幌で知って、そんな思いを強くした。
その岡山大会の後のことだ。岡山でも即席の応援団が結成され…というより、さらにパワーアップして、プライベートとして来ていた応援団の人たちによってボードを使うなど、より本格的な応援をしていたと聞いている中、佐賀でも同じことをしようと思っている、という情報が入ってきた。聞くと、完全に火が付いたのだという。
おそらくだけど、さらっと書いたが刈谷でNEC相手───結果的に優勝した───にフルセットで勝ったことが大きかった。前回の岡崎大会で72分で一蹴された相手に一歩も引かず、そして1-2と劣勢になっても下を向かずにNECを破った。その翌週の岡山は連敗したけれど、あのアロじょの戦いが彼らに火をつけたことは間違いなかった。
実は私は、Vリーグの開幕となったSAGAアリーナでの久光のホームゲームを、東レが出ないにもかかわらず見に行っていた。それは、前述したVリーグ全般を押しなべて見るから、なのだが、東レの試合があるこの2月の佐賀大会の、いわば視察の意味合いも強かった。応援の方式はどうなるのか、団席はどこか。なので、実は対戦相手でも音響が使えること───久光は特定の席での対戦相手チームのグッズ着用不可など、制限があった───、そしてスピーカーを持ち込まなくてもSAGAアリーナのスピーカーが使えること、を知っていた。
それを伝えたところ、それならば、と本格的に音響を使って応援することに切り替えたというのだ。つまり、私の情報が役に立ったのだ。
元々一試合しかないこの2月の佐賀大会は私は行く予定はなかった(その代わりに開幕戦に行ったのだ)。だが、私の情報を元に行くことにしました、というのであれば、現地でお迎えするのが筋ではないだろうか。
そう考えた私は、急遽佐賀遠征を決めた。彼らについた火が飛び火したのだ。こんなに直前(数日前だ)に遠征を決めたのは初めてだった。私の話はここまで。
結果的に今シーズン最終戦となった佐賀大会は、アロじょ、アロともの集大成となった。もう既にファイナルステージに進出しないことは決まっていたけれど、急遽駆け付けたアロともが多かった(私もだが)のも印象的だった。きっと、火が付いたのだ。
…といっても試合内容は決していいものではなく、結果的にレギュラーシーズン3位となった久光相手にストレート負け。まあそれも今シーズンの集大成ではあるのだが、そんな中で途中出場で奮闘を見せた選手がいた。この試合に限らず、今シーズンずっと奮闘を見せていた選手…谷島里咲選手である。