風の谷の東レアローズ第四章

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

短期決戦は確かにスリリングだ。でも、それは私たちの生活で言えば、土日なのかもしれない。よそいきの日なのかもしれない。非日常なのかもしれない。リーグ戦は、平日だ。普段着の日だ。日常だ。

日常の彼女たちをもっと見たい。

たぶんそういうことだったと思う。そして、松山は直前でもツアーで3万円台と非常に安く、私は急遽松山行きを決めた。Vリーグのいいところは、一部地域を除いては観光シーズンではない時期に開催されていることかもしれない。冬の松山に行く人はなかなかいない。

急遽決めただけに席も全然よくなかったけれどそれはもう関係なかった。

たどり着いた松山という地。3週連続で見た東レアローズは、当たり前だけれどどこに行っても東レアローズのままだった。そして私はまたいつものように日常をたくさん撮った。3-0、かつ一試合という状況で128GBのSDカードを使い切るというのはどうかと思ったが、それだけ撮りたくなる日常の光景にあふれていたからだと思う(みきゃんはどう考えても日常の光景ではないけれど)。

そんな、普段着の、日常の東レアローズを感じさせてくれる存在は、この二人だったと思うようになった。白井美沙紀選手と日高萌選手だ。

元々は一年のブランクを置いて帰ってきた東レアローズを、まず今季は小川愛里奈選手に注目して撮り始めたのだが、ファインダー越しに彼女を追いかけているうちに自然と黒後愛選手を撮るようになり、そして白井選手と日高選手に行き着いた。そんな感じだ。

それは、小川選手がシーズン序盤と違って後半は控えにいることが多くなってしまったこともあると思うが、そんな状況でも白井選手や日高選手と一緒に、テクニカルタイムアウトなどでコートに出ている選手たちに声をかけたり励ましたり、チームの一員として奮闘している姿はまたよかった。

それも、今にして思えば普段着、だったのかもしれない。確かにユニフォームではなくジャージだしってそういうことじゃない。

滋賀大会の翌日、岡山は黒部で久光製薬相手に1セットを取って奮闘するも破れ連勝はストップ(日立がよくやる、最後には控え選手をベンチに入れるというのを河本監督がやっていたと後でフォロワーさんのツイートで知って、河本監督の執念を感じた)。ポイント4で迎えた2/16土曜の愛媛県武道館は、勝てば自力でファイナル8進出を決められる試合になっていた。ホーム扱いとはいえ愛媛県武道館は滋賀より遠いし、淋しい入りだったけれど、なあに、だったらその分後押ししてホームにするだけさ。

そして、KUROBEアクアフェアリーズ相手に3-0と、危なげなく勝利し(翌日のPFU戦はまさかのフルセットだったけれど…)、無事にファイナル8進出を決めることが出来た。勝利の瞬間、選手たちはもっと喜ぶかと思っていたけれど、いつもと同じだった。普段着だった。

って、みきゃんはどう考えても普段着ではないが…