ポイント③かつてチームがあった山形という地
鶴岡大会に行った後、その素晴らしさを伝えようと今回の記事を書くにあたり、私なりにいろいろと調べていたのですが、その中で見つけたのがこの記事でした。
そうか!山形にはかつてVリーグ女子チームがあったんだった、と。
私がVリーグに出会ったのは2015年なので、過去のことは全然知らないわけです。その中でかつてパイオニアレッドウィングスというチームがあったことは知るようにはなりましたが、セリンジャーという有名な人が監督だった(今の姫路の監督の父です)とか、栗原恵さんが彼の指導を仰ぐために同意書なく移籍して、一年出られなかったとか、知識はそれくらいでした。パイオニアという企業自体は知っていたので、ああ、業績悪化で撤退したんだろうなあ…と(なお、所属歴のある現役選手は埼玉上尾の岩崎選手だけです)。
だから、アランマーレは町(天童から酒田)や形(母体企業やチーム名)は変われど、山形に復活したチーム、なんですね。灯を絶やさなかった、という言い方の方がいいかな。なので当時を知るファンの方々からすれば、再び山形からチームがなくなる、なんてことは絶対避けたいと思っているはずです。
そして、アランマーレの西尾博樹GMは、パイオニア時代にマネージャーだったんですね。なので彼の存在はいわばレッドウィングスとアランマーレをつなぐ存在なわけです。実際のところはわかりませんが、パイオニアが2014年になくなり、アランマーレが翌2015年に設立されたわけですから、西尾さんがそこに関わったことは間違いないのではないでしょうか。もしかしたら山形におけるチーム存続に奔走されたのかもしれません。
さらに。アランマーレは、練習を公開している数少ないチームの一つなんですね。しかもサイトにスケジュールが掲載されてますがシーズン中でも週二回くらいと、結構多い。それはつまり、チームをいわば公共財としているというか、地元の人のためのチーム、という方向性が明確なのではないでしょうか。
そう考えるとあの鶴岡大会が、完売するなどあれだけ盛り上がった理由、そして、東京から初めて見に来た人を虜にする空気にあふれていたか、が今、ようやくわかった気がしました。
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最後に。
アランマーレは文化だ、と思います。
プレステージインターナショナルという企業の文化。リズムトレーニングをはじめとした選手たちの文化。得点時に「センキュー」という応援の文化。自チーム以外も盛り上げるMCの文化。新商品の選手別タオルで監督も作っちゃう文化。庄内という文化。公共財という文化。
「善くて強い」というスローガンを掲げ、V1に昇格しても今までの戦い方を貫くチームの文化。
今まであらゆるチームを見てきましたけれど、「文化」を感じたチームはここだけです。
みなさんもぜひ庄内にいらして、アランマーレの文化を感じていただければ幸いです。