貴重な場数を踏んだ近畿総合と二人のキーマン
続いては練習見学会と近畿総合で見たチーム戦力についてです。まずローテーションはこうなってました。
深澤(古川) | 樫村 | 西川 | |
吉野(谷島) | 大﨑 | 真鍋 | 中島 |
何を隠そう、これがフルメンバーでした。井上奈々朱選手はまだ故障明けですし、戸部真由香選手は理由はわかりませんが不出場。さらに前述の通り深澤、古川両選手は8/26までメキシコで第22回世界U21女子選手権大会に出ていて、時差ボケすら残っていたんじゃないかなという状態。さらに言うと吉野選手も故障明けではありますからあまり無理はさせない。そういう方針だったと思います。
練習試合も2-2。近畿総合も2-1(対園田学園女子大学)、2-0(対関西大学)、2-1(対金蘭会高校)、そして決勝ではヴィクトリーナ姫路に1-2と、順風満帆とはとてもいえない結果でした。
確かにブロック面などいろいろ課題はありますが、それは素人の私が言ったところで、ですし、トスが合わない光景がちらちらありましたけれど、関選手不在の中でバッチリ合っていた方が逆に不安です(笑)。当然、真鍋くるみ選手のトスは関選手のとは違いますからね。
今はこの一言に尽きます。
「場数を踏む」
若い選手たちに必要なのは何より経験、もっと言うと対外試合経験、です。それを今は、近畿総合、そして国体という貴重な対外試合で場数を踏んでいってほしいなと思います。そんな中で今シーズンの東レアローズのカギを握る選手二人についてお話しします。
まずは谷島里咲選手。私は高校バレーまでは追いかけていないので彼女のことは全く存じ上げなかったのですが(古川愛梨選手は頻繁に報道されるので名前は知ってました)、めちゃくちゃいい選手だなと思いました。上背があるわけでも、そして体も大きくはないのですが、アタックがまるでスナイパーのようにといいますか、すごく速いボールがいくんですよね。最高到達点も古川愛梨選手と1cmしか変わらないので、身体能力がめちゃくちゃありそうな選手だなと。
あと何よりムードメーカーなので彼女の活躍で、とかく暗くなりがち(これは今シーズンの課題です)なチームを盛り上げる存在になればいいなあと思いましたね。
そしてもう一人。サマーリーグのときに「彼女がキーマンだ」と書きましたが、近畿総合で改めて思いました。西川吉野選手です。今回の近畿総合は代わりの選手がいないので、どんな状況でも出続けなければいけないというプレッシャーがあったと思います。得点がなかなか決まらず苦しくても、替える選手がいないから出続けなければならない。傍から見ていて西川選手は負のループに陥りがちというか、ミスを引きずる印象があります。(わかりやすくいえば)逃げ出したくなるような状況でも替えてくれないし、トスは上がってくるし、という中でどう踏み止まれるか。
これこそが、さっき申し上げた「場数」なんです。
その点では近畿総合で敢闘選手になったのは少しは自信になったかもしれません。そう。負のループから抜け出すのに必要なのは自信なんです。でもその自信というものは、試合でなければ身につかないんです。これは何も選手に限らず我々(仕事とか)だってそうです。
さて。今回の滞在で気づいたことはまだありまして、ここからは外側(運営体制等)も内側(選手)も、踏み込んだ話になります。