THIS IS HOME~NECレッドロケッツの試行錯誤~

NECレッドロケッツ川崎
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

⑫ユニフォームであふれる武蔵小杉駅

武蔵小杉駅と直結している武蔵小杉東急スクエアに、ユニフォームが展示されているというのはレッドロケッツのツイッターで知っていたので見に行ったのですが、施設内のいろんな店の店員さんもレッドロケッツの赤いユニフォーム着ていたんですよね。これはちょっと感動しました。

これも野球ならよくある手法なんですよ。ソフトバンクホークスが鷹の祭典をやるときは福岡市内の西鉄バスの運転手や商業施設の店員が着たり、というのはすっかりおなじみです。

これをVリーグでやっちゃうなんて!と。そこに感動しました。ホームタウンの理想的な光景だと思います。

どうやらこれは東急スクエアとの連携企画だったようで、チケット提示で割り引き、なんてのもやってました。

http://w-volley.necsports.net/files/user/special/2018HG/tokyu_square.jpg

こういう企画ってものすごく大事だなと。だって、こういう商業施設を使っている人こそ呼び込みたい新規層、じゃないですか。地元の人なんですから。しかも川崎市民はフロンターレのおかげで地元のスポーツチームが日常にあるわけで、わざわざスポーツチームを見に行こうという障壁が比較的低い土地だと思います。「あ、レッドロケッツというバレーボールチームがあるんだ。へえ、とどろきアリーナって等々力陸上競技場の近くか。近いな」くらいの感覚にはなってくれるはずです(行ってみよう、になるのは簡単ではないですが)。

しかももしフロンターレ好きの人なら「今はフロンターレはシーズンオフだし、ちょっと行ってみようか」というチャンスが生まれる可能性があります。

そう考えると、NECは非常にポテンシャルのあるチームなんですよね。川崎市、というより武蔵小杉に練習場があり従業員の多く働く事業所があり、つまり親会社が地元に浸透していて、ホームとなるアリーナも近いし収容人数も多い、しかも最寄り駅はJR、東急が走り、乗降客数の多い武蔵小杉駅で、大型商業施設も多く、しかもスポーツチームの存在が市民に浸透している…

東急スクエアとのコラボが実現したのも、レッドロケッツだけでなく対NECという側面もあるのではと。玉川事業所で働く従業員向けという意味です。親会社の規模をチームとして活用できるんですよね。

これだけ恵まれた条件のあるVの女子チームは他にはないです。だから私は「川崎NECレッドロケッツ」にしてほしいって思うんですよね。または武蔵小杉NECレッドロケッツ。

一つ書き忘れましたが武蔵小杉って共働きの人も多いので、ホームゲームということでとどろきアリーナに託児スペースを設けていたのはとても大きかったのではと思います。

※言い忘れましたが私は2011年頃武蔵小杉に住んでました。だから多少詳しいんです。当時は全くVリーグに興味はなかったのですが。

最後になりましたが、これまで見て来たホームゲームは地方が多く、だからこそスポーツチームへの依存度が高く(簡単に言えば他に娯楽や話題となるネタがない)、ホームタウンの理想型が至るところに見られたと思いますが、こういう、いわば都市型のスポーツチームがどうホームタウンにしていくか、というのも非常に面白いのではと思います。そこに住んでいる人口が多いからといって来場者が多いという単純な構造ではないわけで(競合も多いですし)。

そんな中でも新生Vリーグになる前からホームゲームを大事にしてきたNECは、これからもいろいろ試行錯誤をして、理想型、そして先例を作って欲しいなと思います。

今回、とどろきはロケッツクラブでチケットを買って入ったのですが(Vのチームでファンクラブに入っているのはここだけです)、2月になってホームゲームに関するアンケートが来ました。こういう試みは初めてだったようです。ファンの人に耳を傾ける姿勢はとても大事だと思います。来季どう進化しているのか楽しみです。