旋風の谷の東レアローズ

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

日曜の第一セットこそJTにあっさりと奪われて、私もどこか他人事のように試合を見ていて、声を出すこともなく見ていたし、私はもう負けたときのツイート内容まで考えていたほどだったのだが(ボールを追うときの決定的な数センチの差がJTとの間にあった)、東レはそこから一気に巻き返していく。

どこか斜に構えてみていた私は、自然と大声を出すようになり、マッチポイントではサーブを打つ関選手に「セナ、ここで決めろ!」などといつの間に叫んでいた。人の心を熱くさせると自然と声を出させるんだ、というのはファイナルステージで学んだ大事なことだ。ファンサービスも大事だけれど、何より人の心を熱くさせる試合をすることに勝るものはない、ということなのだ。

日曜のファイナル3第二戦は、ものすごく簡単にいうと、前日フルセットになったことが結果的にJTを消耗させた。そう思う。しかも第一セットをJTが取ったことで「一気に決めてしまおう」と思わせたことでJTを消耗戦に持ち込んだ。そんな印象があった。東レの一つの武器は若さだ。体力勝負なら東レの方が圧倒的に有利だ。

結果的に1-4で東レは勝ち、ゴールデンセットに持ち込んだわけだが…

試合前に、いつものように走ってコートに入ってきて、いつものようにファンファーレがなる様子を見ていて、ああ、これはもらったなと思った。まだまだウチらは元気やでえと。いつも通りやでえと。

そして結果的にそうなった。試合後に堰を切ったように泣き崩れる関選手の表情は見ていて本当に心撃たれた。ファインダーがだいぶにじんだけれど、頑張って撮った。

関選手の表情は、愛媛大会の試合後を見ている身としてはものすごくいろんな思い入れがあるのだが、それはまた別の機会に。

ゴールデンセットになろうが、東レアローズはいつもの東レアローズだった。控え選手たちは大声で選手たちを鼓舞し、スタッフ達も全力でコート上の選手たちを後押ししていた。

そして何より、どんなときでも笑顔が多く見られた。

ファイナルの対戦相手は久光。そう、3年前のファイナル3で涙を呑んだ相手だ。でもそれはあくまで私の中での思い入れであって、選手たちには関係ない。

とはいえ。どんなときでも明るさと楽しさは失わない、自由と規律でいえば自由度の高い東レが、規律度の高い久光を打ち破ってくれたら、という思いは、ある。

でも。私は結果がどうあれ、悲しさにうちひしがれる選手たちの表情は、見たくない。結果がどうあれ、胸を張って今シーズンを終えて欲しい。そう思っている。

もちろん、喜びを爆発させている選手たちを見ることができたらシアワセなんだろうけれど。

ただ一つ言えるのは、実質東レアローズファン一年目の私は、とてもシアワセなシーズンを送っているということだ。他のチームが続々とシーズンを終えている中で、まだまだシーズンが続いていて、かつ、コートで躍動し喜ぶ選手たちを見られるというシアワセ。

そんな東レアローズが、他のチームのファンの人たちの心に何かを残せれば。何か打つものがあれば。私が願うのはただそれだけ、なのだ。

だから、結果がどうなろうが、いい試合を。その先は神のみぞ知る運命なんだ。

ただ、間違いなく言えるのは、

今の東レアローズには、いい風が吹いています。