相容れなかったり仲が悪い上司、職場の人というのは私ももちろん過去にたくさんいた。はじめは分かり合えるよう努めはするのだが、どこかで仕方ないとあきらめることもあった。確かに職場で仲良しである必要はない。心通ずる仲間の方がものごとはうまく回りやすい部分もある一方、仲の良さが仇になることもある。何より仕事は結果が全てであって、仲の良さはチームワークとして評価される部分はあるが、それほど大きな要素ではない。
選手はプレーするしかないのだ。
プレーで結果を出すしかないのだ。
そしておそらく印東監督は、選手にプロであることを求める部分がより強いと思う。
土曜の試合は3-0というストレートの展開だけでなくどこか淡々と進んでいったのだが、日曜の試合はそのお返し、ではないけれど非常に見ごたえがあった。結果から先に言うとこのチームは1-3となって再び黒い丸をつけてしまうのだが、試合後の私の頭の中にはどうも拭えない違和感だったり余韻が残った。
あれらは一体、何だったんだろう。
ウィングアリーナ刈谷からそこそこある駅まで歩きながら、そして新幹線に乗って、さらに帰宅してからもそれはしばらく拭えなかった。
試合は昨日と打って変わって接戦となった。このチームは第一セットを25-19とモノにし、続く二セットは落として1-2となったものの、昨日と違って明らかに調子の悪い対戦相手に、全くわからない展開だった。そして第四セットを迎える。
この第四セットは鍵となる三つのポイントがあった。
①開始時のメンバー表を書き間違えた
②24-23での大川選手のアタックのライン判定にチャレンジをしなかった
③24-25となって三度目のテクニカルタイムアウト(TO)を要求した
これが結果的に試合を大きく左右したことは間違いない。
いずれも、普通は「監督何やってんだよ」と捉える出来事である。だが、ウィングアリーナ刈谷で試合を目の当たりにした私には、また違った、というか他の人たちには到底理解しがたいであろう解釈が生まれていた。
①開始時のメンバー表を書き間違えた
セッターの山上選手の18と、アウトサイドヒッターの黒須選手の8番を書き間違えた。この確認に時間がかかり、結局3分ものインターバルが生まれた。
その間選手たちはコートで待たされたのだが、これによって待たされた相手サーバはサーブをネットにひっかけてしまった。さらにハッタヤの二連続ブロックでいきなり3-0とリードした。明らかに相手はリズムを狂わされた。
さて。
本当にメンバー表を書き間違えたのだろうか?
8と18、と間違いやすいかもしれないが、セッターを書き忘れるなんて凡ミスがあるだろうか?
これは結果的に、相手のリズムを狂わせる効果を生み出した。さらに言うと、セッターの交代枠を使ったことで、「このセットはお前は下げない」というメッセージだったのではないだろうか。