黒い丸が増えるにつれ、このチームの状況はどんどん深刻になっている印象を受けた。こういうとき、野球やサッカーだと監督解任、休養という手を使うことがある。だがバレーボールの世界ではまれだ。野球やサッカーはそれがカードの一つになっている側面がある一方、バレーボールは最終手段になっているのでよほどのことがなければ起きない。
一方、深刻になっていても少し長いインターバルがあると、状況が改善されることもある。例えばサッカーだと、バーベキュー大会というカードが切られる。みんなでワイワイと同じものを作って食べて、分け隔てなく話して、壁を取り払う。実際昨シーズンのこのチームではそれが行われていた。
「一度監督とも話して、チームのみんなと昼食をとる時間を作ってもらい、そこでいろいろ話をしました。」
上述のバレーボールマガジンの記事より
年末年始を利用して、チームが好転しているのではないか。
リーグ戦ではないけれど、皇后杯では一つだけど白い丸をつけることもできた。
さあ、刈谷大会はどうなるだろう。
もちろん推しのチームの勝利を願いながらも、このチームがいい状態になっていることも新幹線の車内から願っていた。その頃には車窓にウィングアリーナ刈谷が見えていた。
結果から言うと、このチームは再び黒い丸を二つつけた。
だが、最後の丸は、今までとは違うつけ方になったはずだ。
チームの外的変化という点では、二つのことがあった。
一つは、昨シーズンで引退してケアマネジャーに就任していた村永さんの選手登録。事情は分からないがリベロの安井選手が離脱していて、おそらく長期になるのでそれを埋めるためなのだろう。一度は引退してスタッフになっていた人を復帰させるということはよくあるので、これはそれほど気にはならなかったが、同じ帯同でもスタッフとしてなのか、選手としてなのか、は多少は異なる。選手になればベンチに入ることもある。それはつまりよりチームの中を知ることができるということであり、そしてチームを中からケアするということもできるだろう。ベンチにいれば都度選手に話ができるのだから。
ちなみにこの刈谷大会ではベンチ入りはなかった。